ふくしま桜旅

福島県内の桜の名所・名木を紹介します

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「ふくしま桜旅2024」の記録① 初めて行ったら見応えがあった桜7選

<目次>

寒の戻りの後の暑さで県内各地の桜が一斉に開花

2024年の「ふくしま桜旅」も半ばを過ぎました。予想はしていましたが、今年もなかなかつらいものとなっています。

今年は暖冬で開花が早いと思いきや寒の戻りが長く、例年の見頃が3月下旬〜4月上旬の桜の開花は平年並みか平年より遅めでした。が、その後気温が高い日が続いたため、例年の見頃が4月中旬以降の桜が県内各地で一気に咲いて一気に満開になってしまったのです。

福島県は面積が広く、また桜スポットの数も尋常じゃなく多いので、順を追って咲いてくれないと桜めぐりをする人間にとっては非常に困るわけです。

ざっくり書くと福島県桜前線は本来、太平洋沿いの浜通り&真ん中の中通りの北のほう(県北) → 中通りの真ん中(県中) → 中通りの南のほう(県南) → 中通りの標高の高いエリア&会津地方 → 南会津地方 → 会津地方の標高の高いエリアといった感じで進みます(詳しくは下記の記事参照)。
fukushimasakuratabi.com

が、今年は4月13日の時点での主な桜スポットの開花状況が下記のような具合でした。

浜通り
夜の森の桜並木富岡町) 満開
馬陵公園(相馬市) 満開
中通り県北
あづま総合運動公園福島市) 満開
霞ヶ城公園二本松市) 満開
合戦場のしだれ桜二本松市) 満開
中通り県中
開成山公園郡山市) 満開
紅枝垂地蔵ザクラ郡山市) 満開
釈迦堂川ふれあいロード須賀川市) 満開

三春滝桜(三春町) 満開

中通り県南
南湖公園白河市) 満開
会津地方
鶴ヶ城会津若松市) 満開
御殿場公園喜多方市) 満開
日中線しだれ桜並木喜多方市) 七分咲き
福島民友新聞「さくら開花情報」より抜粋)

夜の森の桜並木と霞ヶ城公園と開成山公園と南湖公園鶴ヶ城が一斉に満開とか、本来ならありえない状況です(同じ市町村でも、例えば二本松市霞ヶ城公園と合戦場のしだれ桜、郡山市の開成山公園と紅枝垂地蔵ザクラが同じ時期に満開になることも本来はありえません)。

しかし、近年は「本来はありえない状況」が普通になってきているのが現状です。恐ろしいことですが、もはやこれが「平年並み」「例年どおり」になってきているのかもしれません。

4月15日の最高気温は会津若松市28.6度、福島市28.4度でした。桜を愛でる気温じゃないですね…。「寒い」から一気に「暑い」になり、汗ばむ陽気の中で花を咲かせている桜たちが気の毒に感じます。

有名どころではなくとも見応えあるスポットが多数

とまあ桜めぐりには過酷な状況ではありますが、今年もぼちぼちふくしま桜旅を続けています。これまでに有名どころはほぼ制覇しているので、現在はまだ行ったことがない桜スポットを中心にめぐっています。

「なぜ今まで来たことがなかったのだろう」と思うくらい見応えのあるスポットも多く、福島県の桜はやっぱりすごいと改めて実感しています。

そんな見応えありと筆者が感じたスポットがこちらです。

向ヶ岡公園のサクラ(福島県塙町
江戸時代に築造された歴史ある公園に咲く3株の桜

『道の駅はなわ天領の郷』のすぐ近くにあり、矢祭町の「戸津辺の桜」を見に行くときに何度もそばを通っていたのになぜか今まで立ち寄らなかったスポットです。
公園自体はこぢんまりとしていますが、寛政5(1793)年に名代官といわれた寺西重次郎が築造したと伝えられる由緒ある場所だそう。園内に咲く3株のシロヒガンザクラ、シロシダレザクラはその頃に植えられたものと考えられ、福島県の天然記念物に指定されています。
いずれもなかなかの大木で、枝ぶりも花付きも見事。青空を背景に華やかに咲き誇る姿にしばし見惚れてしまいました。
■所在地:福島県東白川郡塙町大字塙桜木町204-1
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬
■ホームページ

塙町の観光スポット | 塙町観光協会

■MAP

桃前(ももぜん)のサクラ(福島県二本松市
幹のうろに小さなお地蔵様が祀られたエドヒガンの巨木

二本松市郊外、旧東和町の山里を走る道路沿いに立つエドヒガンの一本桜。推定樹齢500〜600年とされ、根元周囲11.3m、目通り幹囲6.24m、樹高約15mを誇る巨木です。
幹が空洞化しているのがちょっと心配ですが、樹勢はよく元気に花を咲かせています。年月を感じさせる太い幹は迫力満点で、造形もおもしろくて見応え十分です。幹のうろの中に小さなお地蔵様が祀られているのも風情があります。
地元ではこの桜の開花を農作業の目安としており、「肥盛(こえもり)桜」とも呼ばれているそう。見に来る人も車の通りもほとんどなく(筆者が行ったときはゼロ)、心ゆくまで静かに桜を眺められる穴場です。
■所在地:福島県二本松市戸沢字桃前20
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬〜中旬
■ホームページ

29. 桃前のサクラ | 花さんぽ | 二本松市観光連盟

■MAP

宮久保の大桜(福島県本宮市
のどかな田園地帯の高台に堂々と立つ「肥上げ桜」

個人宅の敷地内に立つ推定樹齢500年のエドヒガン。宝暦年間(1751〜1764年)にはすでに大桜だったと伝えられる一本桜です。周囲の桜より開花が早く、地元では農作業の目安となっていたようで、「肥上げ桜」とも呼ばれて親しまれています。
高台の土手ぎわに堂々と立っており、枝ぶりもよく、薄紅色の小さな花をいっぱいに咲かせています。雲一つない青空に満開の桜が映えてとてもきれいでした。
筆者が伺った際はこちらのお宅のお母さんが「どうぞ見ていってください」と笑顔で声をかけてくださいました。少しお話をさせていただいたところ、この日は愛知県から来たという写真愛好家の方もいらっしゃったとのこと。桜を大切に守ってくださっていること、ご厚意で観桜客に開放してくださっていることに感謝です。
■所在地:福島県本宮市長屋鼓石76
■駐車場:あり(近くのグラウンドの駐車場を利用可)
■例年の見頃:3月下旬〜4月上旬
■ホームページ

2024もとみや桜めぐり【桜の開花状況をお知らせ】 - 本宮市公式ホームページ

■MAP

鳥見山公園(福島県鏡石町)
ソメイヨシノの大木など約400本の桜が咲く総合公園

野球場、陸上競技場、多目的グラウンド、テニスコート、体育館などがある総合公園。約18ヘクタールの広い園内にソメイヨシノやしだれ桜など約400本の桜が咲き誇ります。
ソメイヨシノはなかなかの大木でよく手入れされており、樹勢も花付きも良好。これまで近くを通ってもスルーしていましたが、思いのほか見応えがありました。夜はライトアップが行われるようなので、次回は夜桜を見に行きたいですね。
花壇が紫色に染まっていたので芝桜かと思ったのですが、近づいてみたらチューリップやパンジーとともにホトケノザがびっしりと咲いていてびっくり。育てているのか自然に生えてきたのかわかりませんが(たぶん後者でしょうね)、意外ときれいで印象に残りました。
■所在地:福島県岩瀬郡鏡石町緑町199
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

鳥見山公園 | 鏡石町公式ホームページ[福島県]

■MAP

古山王の種蒔桜(福島県矢吹町
福島県内『1本桜』番付表」に名を連ねるエドヒガン

県道58号沿いに立つ推定樹齢280年のエドヒガンの一本桜。かつてここに「山王寺」「山王社」(日吉神社)が祀られており、地元ではこの桜の開花に合わせて種もみを蒔いたことが名前の由来です。目通り幹囲約4.7m、樹高約14mを誇り、樹勢も旺盛。淡紅色の小ぶりの花をたっぷりと咲かせる姿は見応えがあります。
「桜を愛するアマチュアカメラマンの会」が毎年作成している「福島県内『1本桜』番付表」の常連(2024年春場所では東前頭七枚目)ですが、タイミングが合わず行ったことがありませんでした。これで「福島県内『1本桜』番付表」に掲載されている桜、すべてコンプリートです!
■所在地:福島県西白河郡矢吹町川原320
■駐車場:なし
■例年の見頃:4月上旬〜中旬
■ホームページ

やぶき桜めぐり | 日本三大開拓地 矢吹町

■MAP

城山公園(福島県浅川町)
山城跡に整備された眺望抜群の公園。「夜桜花火」も見てみたい

鎌倉時代以降、石川地方を領した石川氏一族の浅川氏が築いた山城・浅川城。天正18(1590)年、豊臣秀吉の奥州仕置により廃城となり、現在は公園として整備されています。
標高407.7mの山頂の広場やすぐ下の駐車場からは町を一望でき、清々しい気持ちになります。筆者が行ったときは霞んでいましたが、天気がよければ遠く那須連山も望めるようです。芝生の広場を囲むようにソメイヨシノが咲き誇り、眺望とともに花見を楽しめます。
浅川町は毎年8月16日に開催される「浅川の花火」で知られており、なかでも城山公園で打ち上げられる「地雷火」が名物。桜の時期には城山公園を会場に「花火の里あさかわ 夜桜花火」というイベントが行われているので、今度はぜひこれを見たいところです。
■所在地:福島県石川郡浅川町大字浅川字城山
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

城山公園 - ふくしまの旅

花火の里あさかわ 夜桜花火 | 浅川町役場公式ホームページ

■MAP

神指城(こうざしじょう)跡(福島県会津若松市
ケヤキとともに未完の城跡を彩るソメイヨシノ

神指城は慶長5(1600)年、会津領主・上杉景勝が築城を始めた平城です。しかし、徳川家康による会津征伐が迫ったため工事は中断。翌慶長6(1601)年に上杉家が米沢に転封となり、神指城は未完のまま廃城となりました。
現在は土塁の上に樹齢約500年の国指定天然記念物「高瀬の大ケヤキ」が立っており、周囲に約20本のソメイヨシノが咲き誇ります。
初夏に足を運んだことがありましたが、春に訪れたのは今回が初めて。芽吹き始めた大ケヤキと華やかな桜の組み合わせが美しく、見応えがありました。
周囲には田園が広がり、遠くに磐梯山を望めてロケーションも抜群です。地元の方々が賑やかにお花見をしているのもまた風情があり、のどかな会津の春を満喫できました。
■所在地:福島県会津若松市神指町高瀬
■駐車場:なし
■例年の見頃:4月中旬
■ホームページ

神指城跡|観光・体験|会津若松の公式観光情報サイト【会津若松観光ナビ】

【会津】桜が楽しめる場所はココ!|特集|会津若松の公式観光情報サイト【会津若松観光ナビ】

■MAP

中通りの標高の高いエリアの山桜や八重桜、南会津、猪苗代・裏磐梯などの標高の高いエリアの桜はこれから見頃となります。「ふくしま桜旅2024」はまだしばらく続きます。