ふくしま桜旅

福島県内の桜の名所・名木を紹介します

MENU

歴史ある福島県会津の名木「会津五桜」をめぐる

<この記事で紹介している桜スポット>

福島県会津地方の桜旅で、絶対に外せないのが「会津五桜」です。

会津五桜とは、会津若松市の「石部(いしべ)桜」、会津美里町の「薄墨(うすずみ)桜」「虎の尾桜」、会津坂下町の「杉の糸桜」、猪苗代町の「大鹿(おおしか)桜」の5本の一本桜のこと。嘉永5(1852)年に発行された会津の番付表「若松緑高名五幅対(ごふくつい)」で「高名桜」として紹介されている、由緒ある名木です。

それぞれ樹形や花の色・形に特徴があり、バラエティに富んだ桜めぐりができるのが魅力。名前の由来にも「なるほど」と納得します。会津の歴史に想いを馳せながら、古くから地元で愛されてきた桜旅を楽しんでくださいね。

※記事中の見頃は例年のものです。気象条件などにより時期が前後することがありますので、最新情報をご確認のうえお出かけください。

※風雪等による枝折れ、病気等による枝の伐採などにより、樹形が変わることがあります。写真と異なる場合もありますので、ご了承ください。

 

石部(いしべ)桜(福島県会津若松市
根元から幹が10本に分かれたユニークな樹形が特徴

白虎隊自刃の地として知られる飯盛(いいもり)山の北側の農地に咲くエドヒガン。樹齢約650年の堂々とした一本桜です。
中世会津の領主・葦名氏の重臣・石部治部大輔(じぶだゆう)の屋敷の庭にあったと伝えられているのが名前の由来。NHK大河ドラマ「八重の桜」のオープニングに登場したことでもお馴染みです。
花の美しさはもちろんですが、石部桜は樹形のおもしろさにいつも見入ってしまいます。根元から幹が10本に分かれた臥龍状の樹形となっており、地を這うように進んでから斜め上に伸びたりと、なんとも不思議な形をしています。枝張りは最大で約20mにも及び、ぱっと見ると一本の桜だとは信じられないほどです。
雪の重みによってこのような樹形になったともいわれますが、いろいろと想像をめぐらせながら眺めていると時間を忘れてしまいます。

■所在地:福島県会津若松市一箕町八幡石部
■駐車場:あり(飯盛山市営駐車場を利用)
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ

石部桜|観光・体験|会津若松の公式観光情報サイト【会津若松観光ナビ】

■MAP

杉の糸桜(福島県会津坂下町
桜に彩られた山門や六地蔵などもあわせて楽しみたい

県道365号沿いの薬王寺境内にあるエドヒガン系しだれ桜です。推定樹齢は200年で、天正年間に植えられたものの2代目と伝わります。糸桜の両脇には子桜“会津枝垂”が咲き誇ります。
杉の糸桜は樹高約6メートルと小ぶりで、花色が白っぽいため、今ひとつ華やかさに欠けると感じる方も多いかもしれません。が、薬王寺にはソメイヨシノに彩られた山門、石段脇に咲く水仙六地蔵の前に咲く花色の濃い“薬王寺八重”などの見どころがあります。
小さなお寺ですが、のどかな会津の春を感じさせてくれる趣深いスポットです。

■所在地:福島県河沼郡会津坂下町杉集落地内
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ

杉の糸桜(すぎのいとざくら) - 会津坂下町

■MAP

虎の尾桜(福島県会津美里町
三重塔がある古刹に咲く、おしべが花弁化する珍しい桜

養老4(720)年の創建と伝わる古刹・法用寺。観音堂の前に立つ虎の尾桜はオオシマザクラサトザクラの一種です。
おしべが花弁化する珍しい桜で、八重咲きの花の中から花びらが細く突き出た形になるのを虎の尾に見立て、この名が付いたという説があります。ぜひじっくりと花を観察してみてくださいね。
花よりもやや先に葉が出るのも特徴で、淡紅色の花とともに渋い風情を醸し出します。境内には福島県重要文化財に指定されている三重塔もあり、こちらも必見です。

■所在地:福島県大沼郡会津美里町雀林字三番山下3554
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月下旬
■ホームページ

お花見・桜開花情報 2023 – ミサトノ.jp

■MAP

薄墨桜(福島県会津美里町
「アイヅウスズミ」の学名を持つ伊佐須美神社の愛らしいご神木

岩代国一之宮・会津総鎮守である伊佐須美神社のご神木です。随身門(楼門)をくぐって左手にあります。古くから門外不出の一本桜とされてきたため、他に類似の品種がなく、「アイヅウスズミ」という学名が付けられています。
現在の桜の推定樹齢は120年。おそらく何代目かのご神木なのでしょう。一つの枝に八重咲きと一重咲きが混在し、薄墨を含んだような白色から紅色へと花の色が徐々に変化するのが特徴です。
花がとても愛らしく、個人的に大好きな桜の一つです。よく見るとさまざまな色の花が混じっているので時間を忘れて見入ってしまい、気がつくと2時間近く経っていたということもあります(←側から見たらちょっと変な人ですね…)。
独特の芳香があるのも特徴で、「香りの薄墨桜」とも称されます。桜の傍らには幕末の会津藩主・松平容保(かたもり)公がその美しさを詠んだ歌碑があり、歴史を感じさせてくれます。

■所在地:福島県大沼郡会津美里町宮林甲4377
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月下旬
■ホームページ

伊佐須美神社のご案内 | 伊佐須美神社 | 岩代国一之宮・会津総鎮守

■MAP

大鹿桜(福島県猪苗代町
花の色が白→ピンク→鹿の毛の色に変わる由緒ある古木

磐椅(いわはし)神社は1500年以上の歴史を持つ、会津地方を代表する古社。本社手前にある大鹿桜は福島県内で最も遅く開花する一本桜の一つで、この花を見るとふくしま桜旅もそろそろ終わりだなぁと、しみじみとした感慨が込み上げてきます。
社伝によると、天暦元(947)年に村上天皇の勅使が奉納したと伝わる古木です。サトザクラの一品種で、菊咲きの花の色が開花時は白色で、その後ピンク色となり、最後は鹿の毛の色になることが名前の由来とされます。近年は枯れ枝なども目立つようになり、樹勢の衰えが見られてちょっと心配ですが、がんばって花を咲かせてくれています。
ちなみに境内には樹齢800年以上の鳥居杉にヤマザクラが根付いた「えんむすび桜」もあり、良縁を願ってお参りに訪れる人も多いそう。こちらの例年の見頃は4月中旬から下旬です。

■所在地:福島県耶麻郡猪苗代町字西峰6199
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月下旬~5月上旬
■ホームページ

大鹿桜 - 磐椅神社公式サイト

■MAP