ふくしま桜旅

福島県内の桜の名所・名木を紹介します

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風情たっぷり、福島県の絶景「山桜スポット」7選

<この記事で紹介している桜スポット>

日本に自生する野生種の桜の代表ヤマザクラ。山に咲く桜全般を山桜と呼ぶことも多く、品種としてはヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラなどがあります。

かつては桜といえばヤマザクラを指し、多くの和歌に詠まれるなど古くから人々に親しまれてきました。桜の名所として有名な奈良県吉野山に咲くのもヤマザクラです。

ヤマザクラは、花と赤みを帯びた若葉が同時に開くのが特徴。ソメイヨシノのような華やかさはないものの、なんとも言えない風情があり、個人的に大好きです。開花が遅めなので、新緑とともに春らしいやわらかな色合いを楽しめるのも大きな魅力です。

福島県内には「越代(こしだい)のサクラ」などの一本桜もありますし、「桜峠」のように多数のオオヤマザクラが咲くスポットもあります。さらにカタクリの花とオオヤマザクラの共演が美しい「大林ふるさとの山」もあります。いずれも素晴らしいので、山桜咲く春の福島にぜひ足を運んでみてくださいね。

※記事中の見頃は例年のものです。気象条件などにより時期が前後することがありますので、最新情報をご確認のうえお出かけください。

※風雪等による枝折れ、病気等による枝の伐採などにより、樹形が変わることがあります。写真と異なる場合もありますので、ご了承ください。

大林ふるさとの山(福島県三島町
“春の妖精”カタクリとオオヤマザクラの艶やかな共演

会津三島町西方(にしかた)地区にある、県内有数のカタクリの群生地。8ヘクタールの山の斜面には約400本のオオヤマザクラがあり、紫色の絨毯の上を濃いピンク色の花が天蓋のように彩ります。
雪どけとともに可憐なカタクリの花が咲き始め、少し遅れてオオヤマザクラが開花します。その年の積雪量や気温などに左右されますが、タイミングが合うとカタクリとオオヤマザクラの美しい共演が楽しめる、なんとも贅沢なスポットです。
両者の見頃がバッチリ揃うのはなかなか難しいものの、その分タイミングが合ったときの喜びは格別。紫色の絨毯と濃いピンク色の天蓋、さらに新緑のやさしい緑色が加わり、ただ「きれい~!」としか言えなくなります。 奥会津の遅い春を心ゆくまで満喫できる、個人的に大好きな場所です。
■所在地:福島県大沼郡三島町大字西方字大林地内
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ

大林ふるさとの山(おおばやし) - 三島町観光ポータルサイト

■MAP

「桜と人の物語」>大林ふるさとの山を管理している「西方共有財産管理会」の紹介はこちら!

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戸赤(とあか)のやまざくら(福島県下郷町
明治時代から集落の人々が大切に守ってきた約100本の山桜

会津下郷町の山あい、昭和村との境近くにある戸赤集落。清流・戸石川沿いに家々が点在し、川を挟んで山側には田んぼが広がります。春はその奥の里山の斜面にオオヤマザクラやカスミザクラが咲き誇り、山肌を鮮やかに染め上げて一帯は“山桜の里”となります。
これらの山桜は集落の人々が明治時代から「留め木(とめぎ)」として伐採を禁じ、共有財産として大切に守ってきたもので、その数およそ100本。萌え始めた木々の淡い緑とピンクの濃淡が描くやわらかな色合いは、雪深い山里にようやく春が来た喜びを表しているよう。“山笑う”という言葉がぴったりだとこの場所を訪れるたびに思います。
地元の農家では、この山桜の開花を目安に種まきを始めるのだそう。実際、桜を愛でながら散策していると農作業をしている方を見かけることもしばしば。集落の方たちにとってこの山桜は、昔も今もなくてはならない大切な存在だということが伝わってきます。
■所在地:福島県南会津郡下郷町大字戸赤字林下
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月下旬
■ホームページ

戸赤のやまざくら - ふくしまの旅

■MAP

越代(こしだい)のサクラ(福島県古殿町
山の中の小高い丘に立つ樹齢400年のヤマザクラの巨木

福島県内には見応えのある一本桜が多数ありますが、その中でも遅咲きの代表格がこちら。阿武隈高地に抱かれた古殿町の山間部、県道135号沿いの小高い丘の上に立つ樹齢約400年のヤマザクラです。
樹高約20m、幹囲約7.1mの堂々たる巨木で、福島県天然記念物、林野庁の「森の巨人たち100選」に指定されています。 また、「桜を愛するアマチュアカメラマンの会」作成の「福島県内『1本桜』番付表」では、2019年に東の新横綱に選ばれました。
階段を上って桜の近くまで行き、下から見上げるとその大きさに圧倒されます。青空に向かって形の良い枝を伸び伸びと広げ、淡紅色の花をたっぷり咲かせる姿は生命力にあふれ、パワーをもらえます。根元の大岩を抱くようにそびえ立つ幹は太く、それでいてつややかな美しさで目を引きます。
丘の下の花壇にカラフルなチューリップや水仙などが植えられており、桜とともに写真に収めると“春爛漫”を演出できるのも嬉しいポイントです。
■所在地:福島県石川郡古殿町大字大久田字越代地内
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月下旬~5月上旬
■ホームページ

古殿の桜 | 景観スポット | 観る | 観光 | 古殿町

■MAP

「越代のサクラ」のさらに詳しい紹介はこちら!

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新田(しんでん)の大山桜(福島県いわき市
周りに咲く若いヤマザクラや木々の新緑との共演が見どころ

越代のサクラとあわせて見に行きたいのが、いわき市北西部に位置する三和(みわ)町の山あいにある「新田の大山桜」。樹齢400年以上ともいわれる、こちらも見事なヤマザクラの大木です。開花は越代のサクラとだいたい同じか、こちらのほうが若干早く見頃を迎えることが多いようです。
樹高16.0m、幹周4.2mという堂々とした桜で、いわき市の保存樹に指定されています。山の斜面に立って見事な枝ぶりを見せており、その周りを囲むように若いヤマザクラが何本も咲き誇ります。周辺の山々にもヤマザクラが見られ、ちょっとした山桜の里です。
越代のサクラとあわせてめぐる桜好きや写真愛好家の方も多いものの、基本的には静かな穴場的スポット。ヤマザクラと木々の若い緑が一帯をやわらかな色彩に包む、のどかな里山の春にとっぷりと浸れる心地良い場所です。
■所在地:福島県いわき市三和町下市萱新田地内
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月下旬~5月上旬
■ホームページ

新田の大山桜|見る・遊ぶ|いわき市観光サイト - いわき市の観光・旅行情報が満載!

■MAP

桜峠(福島県北塩原村
3,000本のオオヤマザクラが山肌を染める絶景スポット

福島県屈指の景勝地裏磐梯から喜多方へ向かう国道459号沿い、日帰り温泉施設『ラビスパ裏磐梯』(現在は閉館)に隣接して広がる桜スポットです。
2001年の敬宮愛子内親王殿下ご誕生をお祝いして、翌年2001本のオオヤマザクラをオーナー制で植樹。今では山の斜面に約3,000本が咲き誇るまでになりました。
ぜひ行きたいのが、臨時駐車場から桜の間の小道を敷地奥へと進んだところにある高台のビューポイント。一面に広がるオオヤマザクラの森を眼下に一望できて壮観です。
同じオオヤマザクラでも木によって花の色が微妙に異なり、ピンクの濃淡が美しくて見飽きることがありません。桜の向こうには雪をいただいた飯豊(いいで)連峰を望むこともできます。
■所在地:福島県耶麻郡北塩原村大字大塩字桜峠
■駐車場:臨時駐車場・ラビスパ裏磐梯駐車場(協力金車1台500円)
■例年の見頃:4月中旬~4月下旬
■ホームページ

桜峠 – 裏磐梯観光協会

■MAP

「桜峠」のさらに詳しい紹介はこちら!

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桜島福島県北塩原村) 
磐梯山を背景に桧原湖に浮かぶオオヤマザクラ咲く小島

裏磐梯で最も大きな湖である桧原湖に浮かぶ小島です。正式な名称ではありませんが、春になるとオオヤマザクラに彩られることからこの名で呼ばれています。残雪の磐梯山を背景にした桜色の小島は、春の裏磐梯を代表する絶景の一つです。 
風がなければ湖面に映る水鏡を楽しめるのですが、残念ながら筆者はいまだにお目にかかれていません…。でも、水鏡がなくても十分に美しく、磐梯山の荒々しい火口壁とやさしい春色の対比が絵になります。 
ベストビューポイントは桧原湖畔ホテルの敷地ですが、ここからの景色は宿泊者だけの特権(以前は開花期の日中に敷地を開放してくださっていましたが、現在は中止しているようです)。それ以外はモーターボートや遊覧船で湖上から見るか、地上からであれば桧原湖西岸にある長峯桟橋から左手に見ることができます。
■所在地:福島県耶麻郡北塩原村桧原
■駐車場:あり 
■例年の見頃:5月上旬~中旬
■ホームページ

桜島 – 裏磐梯観光協会

■MAP

桧原(ひばら)の一本桜(福島県北塩原村
丸みを帯びた形とやわらかな色合いが愛らしいオオヤマザクラ

桧原湖の北岸から林道をさらに北に進んだ畑の中に咲くオオヤマザクラ。春が遅い裏磐梯の中で最も遅く咲く桜の一つとして知られており、筆者のふくしま桜旅のラストを飾ることも多いスポットです。
新緑の山々に囲まれてポツンと立つ姿。芽吹き始めた若い緑と濃いピンク色の花のやわらかなコントラスト。 全体的に丸みを帯びていて、上部の左右が猫の耳のようにぴょんと突き出た愛らしいシルエット。ただただ「かわいい」という感想しか出てこない一本桜です。
ちなみに「桜峠」も「桜島」も「桧原の一本桜」もすべて裏磐梯にありますが、見頃の時期が微妙に違うので残念ながら一緒にめぐることはできません。でも、それぞれの見頃に合わせて何度も足を運ぶのも桜好きには楽しいものです。
■所在地:福島県耶麻郡北塩原村桧原
■問い合わせ先:裏磐梯観光協会 TEL:0241-32-2349
■駐車場:あり 
■例年の見頃:5月上旬~中旬
■ホームページ

裏磐梯観光協会

■MAP

以前はGoogleマップに載っていたのですが、見つからず…。