<この記事で紹介している花スポット>
- 県内に多数点在する花の名所からおすすめをピックアップ
- 須賀川牡丹園(須賀川市)290種・7,000株の大輪のボタンが咲く国の名勝
- 大桑原(おおかんばら)つつじ園(須賀川市)色とりどりのツツジが丘を覆い尽くして圧巻
- つつじ山公園(福島市)空を映す青い沼と新緑、朱色のヤマツツジの共演
- クマガイソウの里(福島市)希少な山野草が約3万7千株も自生する群生地
- 三ノ倉高原の菜の花畑(喜多方市)眺望抜群の山の斜面を染める鮮やかな黄色の絨毯
- 佐藤梨園のローズガーデン(福島市)梨園の緑を背景に咲き競う色とりどりのバラと宿根草
- プリンス・ウィリアムズ・パーク英国庭園(本宮市)英国の雰囲気を感じながらバラを楽しめる本格庭園
- 横田のバラ園(南相馬市)ふるさとへの想いが込められた美しいバラ園
県内に多数点在する花の名所からおすすめをピックアップ
前回の記事で福島県の「初夏の花が楽しめる桜スポット」をご紹介しました。が、桜スポットにこだわらなければ、福島県には初夏の花が美しいスポットがもっとたくさんあります。
せっかくなので、そちらの魅力もお伝えしたい。ということで当ブログのテーマ「ふくしま桜旅」からは外れますが、桜と関係なく初夏に行きたい福島県の花スポットをご紹介します。
初夏は多彩な花が咲き競う、一年でも特に華やかな季節。福島県内には花の名所がとにかくたくさん点在しているので、その中から独断と偏見でおすすめを選んで前編と後編に分けてみました。
前編となる今回は、5月から6月にかけて見頃を迎えるスポットをご紹介します。この時期だけのとっておきの景色を見に、ぜひ福島県に遊びに来てくださいね。
※記事中の見頃は例年のものです。気象条件などにより時期が前後することがありますので、最新情報をご確認のうえお出かけください。
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須賀川牡丹園(須賀川市)
290種・7,000株の大輪のボタンが咲く国の名勝
全国で唯一、国の名勝に指定されている牡丹園。江戸時代の明和3(1766)年に薬種商を営んでいた伊藤祐倫がボタンを栽培したのが始まりとされます。
例年4月下旬から5月中旬にかけて、10ヘクタールの広大な園内に290種・7,000株のボタンが咲き誇ります。赤、ピンク、白、紫色などの大輪の花はとても艶やか。樹齢200年の古木や須賀川で生まれた品種「須賀川の微笑」「昭和の夢」は必見です。
ツツジや芝桜、木々の新緑も美しく、園内には松林、竹林、池、赤い鳥居が連なる牡丹稲荷神社などもあって見どころ満載です。
ボタンの時期以外は無料で開放されており、四季折々の花や自然を愛でながら自由に散策できるのが魅力。紅葉もきれいですよ。
■所在地:福島県須賀川市牡丹園80-1
■駐車場:あり
■例年の見頃:ボタン4月下旬~5月中旬
■有料開園期間:4月中旬~5月中旬
■入園料:大人(高校生以上)600円、こども(小・中学生)300円
■開園時間:8:30~17:00
■ホームページ
■MAP
大桑原(おおかんばら)つつじ園(須賀川市)
色とりどりのツツジが丘を覆い尽くして圧巻
約300年前に庄屋の渡邉宗一郎が屋敷に観賞用のツツジを植えたのが始まりとされる、歴史ある回遊式庭園です。約1万坪の敷地に2つの小高い丘と畑があり、大小約1万株のツツジが咲き競います。
見頃の時期には赤、白、ピンク、朱色、紫色、黄色など、色とりどりの花が丘を覆い尽くして壮観です(ちょっと呆れるくらいすごいです←褒めてます)。木々の新緑とのコントラストも美しく、ツツジの鮮やかさがいっそう際立ちます。
花の間に散策路が設けられており、多彩なツツジを間近で鑑賞したり、丘の上から須賀川市郊外ののどかな田園風景とともにパッチワークのような斜面を眺めたり、さまざまな景観を楽しめます。樹齢300年を超える古木「江戸錦」もあるので、探してみてくださいね。
「しゃくなげの丘」や「しゃくやくの花畑」もあり、6月上旬まで開園しています。
■所在地:福島県須賀川市大桑原竹の花13
■駐車場:あり
■例年の見頃:ツツジ5月上旬~中旬、シャクナゲ5月上旬~下旬、シャクヤク5月下旬
■有料開園期間:4月中旬~6月上旬
■入園料:大人600円、小学生以下無料
■開園時間:8:30~17:00(16:30最終入園)
■ホームページ
大桑原つつじ園 – 一面に広がるつつじとともに自然と穏やかな心へ
■MAP
つつじ山公園(福島市)
空を映す青い沼と新緑、朱色のヤマツツジの共演
福島市の南西部に位置する土湯温泉街を抜けて3kmほど山道を進むと、「女沼(めぬま)」に至ります。つつじ山公園は、女沼駐車場のすぐそばの小高い丘にあるヤマツツジの名所です。
昔から野生のヤマツツジが群生しており、現在は公園として整備されています。例年5月上旬から中旬にかけて見頃となり、丘全体が鮮やかな朱色に染まります。
まぶしい新緑とヤマツツジに彩られた散策路を通って丘の上に登ると、眼下に女沼を一望できて絶景です。その奥には雄大な吾妻連峰の山々が広がり、清々しい気持ちになります。
駐車場から近く、散策路もそれほどアップダウンがないので、のんびり歩いてヤマツツジと自然を満喫できるスポットです。
■所在地:福島県福島市土湯温泉町字日向地内
■駐車場:あり
■例年の見頃:ヤマツツジ5月上旬~中旬
■ホームページ
■MAP
クマガイソウの里(福島市)
希少な山野草が約3万7千株も自生する群生地
クマガイソウはラン科アツモリソウ属の多年草で、環境省と福島県の絶滅危惧種に指定されている希少な山野草です。
福島市郊外の松川町水原地区には約3万7千株が自生する群生地があり、「水原の自然を守る会」の皆さんによって大切に保全されています。花の頃にクマガイソウ里まつりが開催され、その時期だけ一般公開されています。
駐車場からさまざまな山野草が咲く散策路を歩いていくと、杉林の中にクマガイソウが咲き誇る群生地が現れます。扇形の大きな葉と袋状の花がずらりと並ぶ様子は圧巻。現地に守る会の会員の方がいて案内をしてくれるので、詳しいお話を聞いてみるのもおすすめです。
クマガイソウの群生地からさらに奥へ進むと、ヤマブキソウの群生地があります。木道が整備されていて可憐な黄色の花が咲き誇る中を散策できるので、ぜひ足を延ばしてみてくださいね。
余談。クマガイソウは紅紫色の網目状脈がある袋状の花弁が特徴で、一ノ谷の戦いで知られる武将・熊谷直実が背負っていた母衣(ほろ)に形が似ていることからこの名前がつきました。
漢字で書くと「熊谷草」ですが、クマガイソウと聞くと脳内でつい「熊が居そう」と変換してしまいます。実際、熊がいそうな場所に生育しているので、当たらずといえども遠からずだと思っています。
■所在地:福島市松川町水原字鎌倉山地内
■駐車場:あり
■例年の見頃:クマガイソウ5月中旬~下旬
■保護活動協力金:300円
■ホームページ
■MAP
三ノ倉高原の菜の花畑(喜多方市)
眺望抜群の山の斜面を染める鮮やかな黄色の絨毯
喜多方市郊外の熱塩加納町にある三ノ倉スキー場は、初夏は菜の花、夏はひまわりが咲く花畑として有名です(菜の花というと春のイメージが強いかもしれませんが、雪国・会津の標高約650mの高原では5月に開花します)。
例年5月中旬になると、スキー場のゲレンデなどを利用した約8ヘクタールの敷地に約300万本の菜の花が咲き誇ります。初夏の青空の下、山の斜面一面が鮮やかな黄色に染まる風景は圧巻のひと言。眼下には会津盆地の田園風景が広がり、遠くに磐梯山を望めるロケーションも魅力です。
花の間に散策路が設けられており、広大な菜の花畑をのんびり散策できます。下から見上げても上から見下ろしても絶景なので、菜の花の絨毯を心ゆくまで堪能しましょう。
高低差があるので場所によって開花時期に差があり、長く花を楽しめるのもうれしいところ。西側の「見晴らしの丘」には“幸福の鐘”が設置されているので、願いを込めて鳴らすのもいいですね。
8月中旬~9月上旬には約250万本の花が咲くひまわり畑になります。こちらも絶景ですよ。
■所在地:福島県喜多方市熱塩加納町相田字北権現森甲857-6
■駐車場:あり(車1台につき花畑整備協力金500円)
■例年の見頃:菜の花5月中旬~6月上旬、ひまわり8月上旬~9月上旬
■ホームページ
2024三ノ倉高原花畑(菜の花)のお知らせ - 喜多方市ホームページ
■MAP
佐藤梨園のローズガーデン(福島市)
梨園の緑を背景に咲き競う色とりどりのバラと宿根草
福島市西部にある「佐藤梨園」の一画に広がるバラ園。園主の佐藤さん夫妻がご自宅の庭先や梨園の周りでバラを天塩にかけて育てており、800種・3,000株の大輪の花が咲き誇ります。
こちらのバラ園の特徴は、バラとともに多彩な宿根草が植えられていること。オルラヤ、カモミール、宿根リナリア、キャットミント、クレマチスなどが色とりどりの花を咲かせ、バラと互いに引き立て合って美しい景観を作り出しています。
ローズガーデンの入り口近くにある「ナチュラルガーデン」は、かわいらしい小屋の前をバラと宿根草が彩るエリア。他にも「フレンチガーデン」「サークルガーデン」や12連アーチが続く「ローズロード」など、さまざまなエリアがあって見飽きることがありません。梨園の鮮やかな緑を背景に咲き競うバラと宿根草の共演を心ゆくまで満喫しましょう。
敷地内にはダリア園もあり、9月から10月にかけて450種・700株が見頃となります。
■所在地:福島県福島市下野寺字新田北7
■駐車場:あり
■例年の見頃:バラ5月下旬~6月中旬
■ホームページ
佐藤梨園のローズガーデン-Rose garden of the Sato pear orchard-
■MAP
プリンス・ウィリアムズ・パーク英国庭園(本宮市)
英国の雰囲気を感じながらバラを楽しめる本格庭園
本宮市郊外にあるプリンス・ウィリアムズ・パークは屋内遊び場、屋外遊び場、英国庭園で構成され、無料で利用できる公園です。
英国庭園は2015年の英国王室ウィリアム王子の訪問をきっかけに日英の友好と復興の証として整備され、2017年11月に開園しました。バラをはじめさまざまな草花が植栽されており、英国の雰囲気を感じながら初夏の花を楽しめるスポットです。
赤茶色のレンガと鉄柵が印象的な正門を入ると、つるバラが彩るローズドームやローズアーチ、赤い屋根と白い柱がかわいらしいガゼボなどがあり、色とりどりのバラが華やかに咲き誇ります。ドームやアーチのつるバラはまだ成長途中ですが、今後さらに見応えが増していくのが楽しみです。
ほかにも多彩な草花や木々が植えられたボーダーガーデンやシェードガーデンが設けられており、本格的なイングリッシュガーデンを満喫できます。
■所在地:福島県本宮市糠沢字石神50
■駐車場:あり
■例年の見頃:バラ5月下旬~6月
■ホームページ
■MAP
横田のバラ園(南相馬市)
ふるさとへの想いが込められた美しいバラ園
原発事故により住民の避難を余儀なくされた南相馬市小高区(避難指示は2016年に解除されています)。震災前この地で梨やサクランボを栽培していた横田さんがふるさとに賑わいを取り戻そうと畑だった場所にバラを植え、2019年からバラ園として一般に無料で公開しています。
約5,000平方メートルの敷地に約150種類・3,500本のバラが咲き誇り、色とりどりの花で一帯を美しく染め上げます。
なかでも見どころは12個のバラのトンネル。赤、白、ピンク、黄色などのつるバラのアーチがカラフルなトンネルをつくっていて見応えたっぷりです。
見頃の時期には多くの人が訪れてバラ園を楽しんでおり、横田さんの願いどおり小高区に賑わいが生まれています。
■所在地:福島県南相馬市小高区川房四ツ栗96
■駐車場:あり
■例年の見頃:バラ5月下旬~6月上旬
■ホームページ
■MAP