<この記事で紹介している花スポット>
- 6月から7月が見頃の花の名所をピックアップ
- 猪苗代ハーブ園(福島県猪苗代町)磐梯山麓の高原に広がる赤&紫の美しい花畑
- ひめさゆり群生地(福島県喜多方市)薄紅色の可憐な花が丘の斜面に咲き誇る希少な群生地
- あぶくま洞ラベンダー園(福島県田村市)石灰岩に覆われた山の斜面を彩る5万株のラベンダー
- 高清水自然公園ひめさゆり群生地(福島県南会津町)緑の草原に100万本の花が咲く“天空のひめさゆり”
- 照南湖(しょうなんこ)ビオパーク(福島県福島市)色とりどりの睡蓮が水面を彩るモネの絵画のような風景
- 雄国沼(おぐにぬま)湿原(福島県北塩原村・喜多方市)湿原を鮮やかな黄色に染めるニッコウキスゲの大群落
- 高林寺(福島県二本松市)境内にアジサイの海が広がる艶やかな“あじさい寺”
- ジュピアランドひらた世界のあじさい園・ゆり園(福島県平田村)多彩なアジサイとカラフルなユリを同時に楽しめるスポット
6月から7月が見頃の花の名所をピックアップ
初夏に行きたい福島県の花スポットをご紹介する記事の後編です。今回は県内に多数点在する花の名所の中から、6月から7月にかけて見頃を迎えるスポットをピックアップしてみました。
福島県の一部など限られた地域にしか自生しない希少なヒメサユリから、高原の風に揺れるラベンダー、湿原を黄色く染めるニッコウキスゲの大群落、ギネス世界記録に認定された多品種のアジサイまで、さまざまな初夏の花を楽しめます。
桜の季節はもちろんですが、初夏の福島県の美しさもまた格別です。今年(2024年)は全体的に開花が早そうなので、最新情報をご確認のうえ、見頃に合わせてお出かけくださいね。
※記事中の見頃は例年のものです。気象条件などにより時期が前後することがありますので、最新情報をご確認のうえお出かけください。
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猪苗代ハーブ園(福島県猪苗代町)
磐梯山麓の高原に広がる赤&紫の美しい花畑
「ホテルリステル猪苗代」に併設されたリステルパーク内にあり、会津のシンボル・磐梯山麓の高原に広がるハーブ園です。10万平方メートルの敷地に約200種のハーブが栽培されているほか、色とりどりの季節の花が咲き競います。
チューリップや菜の花の後、6月になると約10万本のポピーが見頃を迎えます。さらに6月中旬には約2,500株・25万本のラベンダーが開花。真っ赤なポピーと紫色のラベンダーが鮮やかなコントラストを描き、初夏の高原を美しく彩ります。
ポピーもラベンダーも摘み取り体験が可能。雄大な磐梯山がそびえ、眼下に猪苗代湖を望むロケーションも素晴らしく、写真撮影スポットとしても人気です。
夏は約20万本のヒマワリや約18万本のジニア、秋は約100万本のコスモスや約2,500株のコキアと、11月上旬まで多彩な花や植物が楽しめます。
■所在地:福島県耶麻郡猪苗代町大字川桁リステルパーク
■駐車場:あり
■例年の見頃:カモマイル5月上旬~6月中旬、ポピー6月上旬~6月下旬、ラベンダー・バラ6月中旬~7月上旬
■営業期間:2024年4月5日(金)~11月4日(月)※定休日あり
■開園時間:平日9:30~16:00、土曜9:30~17:00、日曜・祝日9:00~16:00(翌日が祝日の日曜日は9:00~17:00)
■入園料:大人500円、小学生350円、幼児無料
■ホームページ
ハーブ園 | グリーンシーズン | 猪苗代温泉リゾートホテル ホテルリステル猪苗代【公式サイト】
■MAP
ひめさゆり群生地(福島県喜多方市)
薄紅色の可憐な花が丘の斜面に咲き誇る希少な群生地
ヒメサユリ(姫早百合)は朝日・飯豊山系など、福島県、新潟県、山形県の県境付近の山地にしか自生しないユリ科の植物。環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている希少な花です。うつむくように薄紅色の可憐な花を咲かせる姿から、オトメユリ(乙女百合)とも呼ばれます。
喜多方市熱塩加納町の会津盆地を見下ろす丘に群生地があり、約3.3ヘクタールの斜面に約33万本の花が咲き乱れます。まぶしい緑と薄紅色の花が織り成す景色は「きれい~」以外の言葉が出てこないほどの美しさです。
散策路が整備されているので、花を愛でながら斜面を登ってみましょう。丘の上に登ると眼下に水を張った田んぼがきらきらと輝き、その奥に磐梯山を望む絶景が待っています。
ヒメサユリはうつむき加減に咲くので、写真を撮る場合は下から見上げる構図がおすすめです。
※ヒメサユリ保護のため、2024年度から群生地への立ち入りが禁止となったそうです。残念…。
■所在地:福島県喜多方市熱塩加納町宮川字東舘山2番地3
■駐車場:あり
■例年の見頃:6月上旬~中旬
■開園時間:9:00~16:00
■入園料:協力金300円、中学生以下無料
■ホームページ
ひめさゆり群生地|自然・花|見る・感じる|喜多方観光物産協会
■MAP
あぶくま洞ラベンダー園(福島県田村市)
石灰岩に覆われた山の斜面を彩る5万株のラベンダー
阿武隈高原中部県立自然公園内にあり、鍾乳石の種類と数の多さでは東洋一ともいわれる鍾乳洞「あぶくま洞」。敷地の南側斜面にラベンダー園があり、見頃に合わせて開園します。
約1ヘクタールの園内に約5万株のラベンダーが植えられており、斜面を紫色に染め上げます。傾斜地に広がるラベンダー園は全国でも珍しく、また、石灰岩で覆われたカルスト台地にあることも大きな特徴。白い石灰岩にラベンダーの花の紫色と茎・葉の緑色が鮮やかに映え、この地ならではの美しい景観を作り出しています。
園内には散策路が整備されており、自由に散策できます。なかなかの急斜面ですが、高原の風に揺れる可憐な花と芳しい香りを楽しみながら花の間を歩くと時間を忘れてしまいます。
開園期間中はラベンダーの摘み取り体験ができるほか、ラベンダーソフトクリームも販売しています。
■所在地:福島県田村市滝根町菅谷字東釜山1番地
■駐車場:あり
■例年の見頃:6月中旬~7月上旬
■入園料:無料(あぶくま洞は有料)
■ホームページ
■MAP
高清水自然公園ひめさゆり群生地(福島県南会津町)
緑の草原に100万本の花が咲く“天空のひめさゆり”
高清水自然公園は南会津町の旧南郷村にある、自然の地形を生かした公園です。園内にヒメサユリの群生地があり、開花の時期に合わせて開園します。
約7ヘクタールの広さに約100万本のヒメサユリが自生しており、国内最大級の群生地として知られています。
駐車場から林の中を50メートルほど歩くと視界がパッと開け、草原の中に無数のヒメサユリが薄紅色の花を咲かせる空間が広がります。標高918メートルの山の上にあるため“天空のひめさゆり”と呼ばれていますが、そのキャッチコピーがぴったりの美しさです。
なだらかなすり鉢状の園内には木道が整備されており、花を間近で愛でながら散策できます。ところどころに白樺の木が点在しているのも趣があり、斜面に広がる喜多方市のひめさゆり群生地とはまた違った景観を楽しめます。
■所在地:福島県南会津郡南会津町界字長池沢口4298-12
■駐車場:あり
■例年の見頃:6月中旬~7月上旬
■開園期間:6月中旬~7月上旬
■入園時間:8:00~16:00
■入園料:500円(中学生以下無料)
■ホームページ
■MAP
照南湖(しょうなんこ)ビオパーク(福島県福島市)
色とりどりの睡蓮が水面を彩るモネの絵画のような風景
照南湖は土湯温泉街から車で5分ほどの旧国道115号沿いにある、周囲約400メートルの湖。森に囲まれてひっそりと水を湛えていますが、6月中旬になると約500本の睡蓮が開花し、早朝から多くの写真愛好家で賑わいます。
昭和40年代初期までは天然のスケート場として利用されていたそうですが、地球温暖化の影響で氷結しにくくなり、長年放置されていました。現在は睡蓮が植栽され、里山の自然やトンボ、フナ、イモリなどの生き物に触れられるビオパークとして親しまれています。
睡蓮が見頃の時期は白、ピンク、黄色などの花が水面を美しく彩ります。風がない日は色とりどりの花や森の緑が水鏡に映り、クロード・モネの絵画のような景観となります。
晴れた日はもちろん雨の日も絵になり、9月上旬まで長く花を楽しめるのも魅力。午後になると花が閉じてしまうので、午前中の観賞がおすすめです。
■所在地:福島県福島市土湯温泉町葭畑
■駐車場:あり
■例年の見頃:6月中旬~9月上旬
■ホームページ
■MAP
雄国沼(おぐにぬま)湿原(福島県北塩原村・喜多方市)
湿原を鮮やかな黄色に染めるニッコウキスゲの大群落
標高1,090mの地にある雄国沼は、約50万年前の猫魔ヶ岳の火山活動によって誕生したカルデラ湖。その周囲に広がる湿原には約300種の高層湿原植物が見られ、「雄国沼湿原植物群落」として国の天然記念物に指定されています。
ミズバショウ、タテヤマリンドウ、ワタスゲ、レンゲツツジなど季節によってさまざまな植物が楽しめ、なかでもニッコウキスゲの大群落は必見です。
福島県でニッコウキスゲといえば尾瀬の大江湿原も有名ですが、ニッコウキスゲの面積当たりの生息株数でいうと雄国沼湿原が尾瀬を上回って日本一なんだそう(注:尾瀬には尾瀬でしか味わえない圧倒的なスケール感があるので、できれば雄国沼湿原と尾瀬の両方に行ってみるのがおすすめです)。
見頃の時期は一面が黄色い絨毯を敷き詰めたように染まって圧巻です。雄国沼の周囲に木道が整備されているので、散策しながら絶景を堪能しましょう。
ニッコウキスゲの開花時はマイカー規制が行われ、喜多方市の雄国萩平駐車場から金沢峠までシャトルバスが運行します。金沢峠から雄国沼湿原までは徒歩10分ほどで行けるので、歩くのが苦手な方にもおすすめです。
北塩原村(裏磐梯)側からは車では行けず、トレッキングで湿原を目指すことになります。「雄国パノラマ探勝路」「雄国せせらぎ探勝路」「猫魔ヶ岳やまびこ探勝路」の3コースがあり、初心者におすすめなのは雄国せせらぎ探勝路。ブナの森を抜けていくコースで、それなりにハードではありますが、筆者でもなんとか往復できます。時間と体力のある方はぜひどうぞ。
■所在地:福島県喜多方市熊倉町雄国
■駐車場:あり(雄国萩平駐車場からシャトルバス)
■例年の見頃:ワタスゲ・レンゲツツジ6月中旬、ニッコウキスゲ6月下旬~7月上旬
■ホームページ
■MAP
高林寺(福島県二本松市)
境内にアジサイの海が広がる艶やかな“あじさい寺”
二本松市郊外の旧東和町太田地区にある曹洞宗のお寺で、“あじさい寺”として知られています。境内に約20種類・5,000株のアジサイが植えられており、見頃の時期には県内外から多くの人が訪れます。
本堂裏手に大人の背丈ほどもあるアジサイが一面を埋め尽くすように咲き誇り、上から見るとさながらアジサイの海のよう。杉木立の中、青を中心に紫や白、ピンク色の艶やかな花が咲き、しっとりとした風情を見せてくれます。一部では枝をかき分けて歩くようになりますが、花の間を散策することもできます。
高林寺の道向かいにも約3,000株のアジサイが植栽されているので、あわせて見学するのがおすすめです。お寺沿いの道路は“紫陽花ロード”と呼ばれ、その名のとおり道の両側に約8,000株のアジサイが植えられており、車を運転しながら美しい花を楽しめます。
■所在地:福島県二本松市太田西田1
■駐車場:あり
■例年の見頃:6月下旬~7月中旬
■ホームページ
■MAP
ジュピアランドひらた世界のあじさい園・ゆり園(福島県平田村)
多彩なアジサイとカラフルなユリを同時に楽しめるスポット
ジュピアランドひらたは蓬田岳麓の自然を生かした公園。春の芝桜で有名ですが、初夏のアジサイとユリも見応えがあります。
「世界のあじさい園」は5万平方メートルの敷地に、825種・27,000株ものアジサイが植えられています。2018年に「展示されたアジサイの最多品種数」でギネス世界記録に認定されており、人気の高い品種から平田村オリジナル品種まで多彩なアジサイを観賞できるのが魅力です。
花の色も形も実にさまざまなものがあり、「アジサイにはこんなにたくさんのバリエーションがあったのか」と驚きます。優雅だったり可憐だったりユニークだったり、散策していると次から次に違う表情のアジサイに出合えるのでまったく飽きません。広大な園内はなだらかな勾配があり、眺望も抜群。どこから眺めても一面のアジサイを堪能できます。
同じころ、「世界のゆり園」では32種・35,000本のユリが見頃を迎えます。木立の中に色とりどりのユリが咲き競うさまはとても絵になります。アジサイとユリ、まったく異なる美しさを一度に楽しめる、超おすすめスポットです。
■所在地:福島県石川郡平田村蓬田新田蓬田岳437
■駐車場:あり
■例年の見頃:アジサイ・ユリ6月下旬~7月中旬
■開園期間:6月下旬~7月中旬
■開園時間:8:30~17:00(入園は16:30まで)
■入園料:高校生以上500円(開花状況により料金が変動する場合あり)、中学生以下無料
■ホームページ
■MAP