<この記事で紹介している桜スポット>
- 石部(いしべ)桜(福島県会津若松市)根元から幹が10本に分かれたユニークな樹形が特徴
- 馬ノ墓(うまのはか)の種蒔桜(福島県会津美里町)果樹畑の中に立つ一本桜。半球を描く美しい樹形が魅力
- 下三坂(しもみさか)の種まきザクラ(福島県いわき市)畑の奥の共同墓地に静かに立つ美しい樹形の種まきザクラ
- 岩倉桜(福島県平田村)杉林を背景に薄紅色の花を咲かせる樹齢約500年のエドヒガン
- 小沢の桜(福島県田村市)どこか懐かしさを感じる素朴な山里に咲く人気の一本桜
- 弁天ザクラ(福島県田村市)悲しい言い伝えが残る樹齢400年の神秘的なしだれ桜
- 桧原(ひばら)の一本桜(福島県北塩原村)裏磐梯の中でも特に遅咲きの愛らしいオオヤマザクラ
福島県内の桜めぐりをしていると、郊外の小高い丘の上や田畑の中などにポツンと立っている一本桜が多いことに気がつきます。
日本の春の原風景のようなのどかな山里に佇んでいたり、残雪をいただいた山を背景に咲き誇っていたりと、ロケーション込みで絵になることがこうした“ポツンと一本桜”の魅力です。
「春だなぁ」「いい桜だなぁ」としみじみ感じ入り、ひなたぼっこをしながら時間を忘れて眺めていたくなる、そんな気持ちにさせてくれます。
本当にたくさんある福島県内のポツンと一本桜ですが、その中からおすすめの15本を2回に分けてご紹介。今回は後編です♪
※記事中の見頃は例年のものです。気象条件などにより時期が前後することがありますので、最新情報をご確認のうえお出かけください。
※風雪等による枝折れ、病気等による枝の伐採などにより、樹形が変わることがあります。写真と異なる場合もありますので、ご了承ください。
ロケーション抜群!福島県の「ポツンと一本桜」15選<前編>はこちら!
石部(いしべ)桜(福島県会津若松市)
根元から幹が10本に分かれたユニークな樹形が特徴
白虎隊自刃の地として知られる飯盛(いいもり)山の北側の農地に立つ、樹齢約650年のエドヒガン。“ポツン”というよりどっしりと咲き誇る堂々とした一本桜です。
中世会津の領主葦名氏の重臣・石部治部大輔(じぶだゆう)の屋敷の庭にあったと伝えられているのが名前の由来。NHK大河ドラマ「八重の桜」のオープニングに登場したことでもお馴染みです。
花の美しさはもちろんですが、石部桜は樹形のおもしろさにいつも見入ってしまいます。根元から幹が10本に分かれた臥龍状の樹形となっており、地を這うように進んでから斜め上に伸びたりと、なんとも不思議な形をしています。枝張りは最大で約20mにも及び、ぱっと見ると一本の桜だとは信じられないほどです。
雪の重みによってこのような樹形になったともいわれますが、いろいろと想像をめぐらせながら眺めていると時間を忘れてしまいます。
■所在地:福島県会津若松市一箕町八幡石部
■駐車場:あり(飯盛山市営駐車場を利用)
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ
石部桜|観光・体験|会津若松の公式観光情報サイト【会津若松観光ナビ】
■MAP
馬ノ墓(うまのはか)の種蒔桜(福島県会津美里町)
果樹畑の中に立つ一本桜。半球を描く美しい樹形が魅力
会津若松市のお隣・会津美里町の果樹畑の中に咲き誇る、樹齢約300年のベニヒガンザクラです。きれいな半球を描く整った樹形と薄紅色の小ぶりの花が美しく、どこから見ても絵になる一本桜です。
桜の向こうに残雪をいただいた飯豊(いいで)山が見え、少し離れた場所からは磐梯山が望めるのも会津らしいですね。
案内板にはかつてここに薬師堂があったとありますが、なぜ「馬ノ墓」という名前なのかは謎です(由来をご存知の方がいらっしゃったらぜひ教えてください~)。
タイミングが合えば周囲の果樹の花も同時に楽しめますよ。
■所在地:福島県会津美里町旭三寄字薬師堂
■駐車場:なし
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ
■MAP
下三坂(しもみさか)の種まきザクラ(福島県いわき市)
畑の奥の共同墓地に静かに立つ美しい樹形の種まきザクラ
いわき市郊外の三和町(みわまち)、県道358号沿いの畑の奥に共同墓地があり、その中にエドヒガンの一本桜が立っています。推定樹齢150~200年。地元では開花を稲の種まきの目安としていたため、この名がつきました。
樹形が美しく、背後の杉林と花の色のコントラストも抜群。周囲に広がる畑といい、“種まきザクラ”の名が似合うのどかなロケーションがたまりません。
ちなみにいわき市の海側は例年3月下旬~4月上旬にエドヒガンが開花する温暖なエリアですが、西側の阿武隈高地は標高が高く、4月中旬〜下旬にエドヒガンが咲きます。とにかく広いんです、いわき市。
■所在地:福島県いわき市三和町下三坂字入合
■駐車場:なし
■例年の見頃:4月中旬〜下旬
■ホームページ
下三坂の種まきザクラ|見る・遊ぶ|いわき市観光サイト - いわき市の観光・旅行情報が満載!
■MAP
岩倉桜(福島県平田村)
杉林を背景に薄紅色の花を咲かせる樹齢約500年のエドヒガン
平田村を通る国道49号から東に、田畑の中の細い道を数百メートル進むと突如現れる一本桜。樹高約16m、幹周り約6mという樹齢約500年のエドヒガンです。
杉林を背景に立っているので、薄紅色の小ぶりの花の美しさが引き立ちます。枝を伸び伸びと広げた姿は、正面から見ると鳥が翼を広げているかのよう。周辺もよく整備されているので、のんびり観桜できます。
小野町の桜の名所「夏井千本桜」から車で20分弱の場所にあり、同じ頃に見頃となるので、あわせてめぐるのもおすすめです。
■所在地:福島県石川郡平田村鴇子三合
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月下旬
■ホームページ
■MAP
小沢の桜(福島県田村市)
どこか懐かしさを感じる素朴な山里に咲く人気の一本桜
田村市船引町ののどかな田園風景の中にポツンと佇む、樹齢約100年のソメイヨシノ。映画「はつ恋」に“願いの桜”として登場したことでも知られ、県内外から多くの観桜客が訪れる人気の一本桜です。
桜の下には子安観音を祀った祠と野仏が立ち、遠くには移ヶ岳を望むことができます。初めて訪れても懐かしさを感じる、素朴な山里の春の風景。このロケーションの素晴らしさに魅せられ、平日でも大勢の写真愛好家が訪れています。
■所在地:福島県田村市船引町船引字大日良
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月下旬
■ホームページ
■MAP
弁天ザクラ(福島県田村市)
悲しい言い伝えが残る樹齢400年の神秘的なしだれ桜
こちらは推定樹齢400年のしだれ桜。田村広域農道沿いの駐車場から数分歩いた杉林の中に、静かに佇んでいます。日当たりの関係で、田村市の他のサクラよりも若干開花が遅めです。
杉林の緑に浮かび上がる花色が美しく、枝ぶりも見事。「嫁ぎ先から戻ることを許されず、池に身を投じた娘の供養のために親が植えた」という言い伝えがあり、根元には石の祠が祀られています。伝説と静けさが相まって神秘的な雰囲気が漂っています。
■所在地:福島県田村市滝根町菅谷字七曲
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月下旬
■ホームページ
■MAP
桧原(ひばら)の一本桜(福島県北塩原村)
裏磐梯の中でも特に遅咲きの愛らしいオオヤマザクラ
景勝地として知られる裏磐梯最大の湖・桧原湖の北岸から林道をさらに北に進んだ畑の中に咲くオオヤマザクラ。標高が高く春が遅い裏磐梯の中でも、最も遅く咲く桜の一つとして知られています。
新緑の山々に囲まれてポツンと立つ姿。芽吹き始めた若い緑と濃いピンク色の花のやわらかなコントラスト。 全体的に丸みを帯びていて、上部の左右が猫の耳のようにぴょんと突き出た愛らしいシルエット。ただただ「かわいい」という感想しか出てこない一本桜です。
■所在地:福島県耶麻郡北塩原村桧原
■駐車場:あり
■例年の見頃:5月上旬~中旬
■ホームページ
■MAP
以前はGoogleマップに載っていたのですが、見つからず…。
ロケーション抜群!福島県の「ポツンと一本桜」15選<前編>はこちら!