ふくしま桜旅

福島県内の桜の名所・名木を紹介します

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しみじみ愛でる、福島県の「神社仏閣の桜」<中通り・県北編>14選

<この記事で紹介している桜スポット>

ポツンと一本桜”同様、福島県内の桜めぐりをしていて気がつくのが、お寺や神社の境内に咲く桜の多さです。

いわき市の「小川諏訪神社シダレザクラ」、三春町の「福聚寺(ふくじゅうじ)桜」など名木が迎えてくれるところもあれば、相馬市の「涼ヶ岡八幡神社」、猪苗代町の「土津(はにつ)神社」など多数の桜が境内を彩るところもあります。

由緒あるお寺や神社と桜はよく似合い、しっとりとした和の情緒を感じさせてくれます。御朱印をいただけるところもあるので、お参りをしたうえで拝受するのもいいですね。

神社仏閣に咲く桜は数がとても多いので、エリア別にピックアップ。今回は福島県中通り北部(県北地方)の神社仏閣の桜をご紹介します。

※記事中の見頃は例年のものです。気象条件などにより時期が前後することがありますので、最新情報をご確認のうえお出かけください。

※風雪等による枝折れ、病気等による枝の伐採などにより、樹形が変わることがあります。写真と異なる場合もありますので、ご了承ください。

大蔵寺のしだれ桜(福島県福島市
参道の石段脇に仲良く並んで咲き誇る“夫婦桜”

大蔵寺は弘仁8(817)年、坂上田村麻呂が東北鎮護のために千手観音を安置したのが始まりとされる古刹。千手観音は国の重要文化財に指定されています。
春は高台にある境内が桜に彩られますが、有名なのは参道を下ったところに咲くその名も「大蔵寺のしだれ桜」。樹齢300年といわれるしだれ桜が2本あり、石段脇の斜面に並んで立っています。「夫婦桜」とも呼ばれ、仲良く咲き誇る姿が春の青空に映えます。
お寺の駐車場は高台にあるので、しだれ桜までは少し歩くことになります。しだれ桜のある参道入り口は住宅街にあり、道路が狭いので通行する車に気をつけてくださいね。
■所在地:福島県福島市小倉寺字拾石7
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

大蔵寺のしだれ桜(Daizoji Temple Weeping Cherry Trees) | 花見山特設サイト

■MAP

慈徳寺の種まき桜(福島県福島市
福島市街地を望む里山の中腹に咲く優美な“種まき桜”

福島市の天然記念物に指定されている、樹齢300年以上のしだれ桜です。かつてはこの桜の開花を目安に苗代に種をまいたことから、「種まき桜」と呼ばれています。
本堂前の土手ぎわに立ち、淡紅色の花をたっぷりと咲かせた枝を土手下まで伸ばす優美な姿が魅力です。個人的には土手下から見上げるのが好きで、いつもその美しさに見入ってしまいます。
慈徳寺は福島市郊外の里山の中腹にあるため、境内からの眺望も抜群。桜の花越しに、福島の街の春景色を楽しめるのも魅力の一つです。
境内には伊達正宗の父・伊達輝宗首塚と伝わる五輪塔があるので、歴史好きな方はこちらもあわせてどうぞ。
■所在地:福島県福島市佐原字寺前9
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

慈徳寺の種まき桜(Jitokuji Temple’Seed-Sowing’Cherry) | 花見山特設サイト

■MAP

常泉寺シダレザクラ福島県川俣町)
根元から二股に分かれた幹から花枝を垂らす美しいしだれ桜

川俣町といえば「秋山の駒ザクラ」が有名ですが、こちらもぜひチェックしたい桜です。
常泉寺は町の高台にあり、墓地の斜面にエドヒガン系のしだれ桜が咲き誇ります。樹齢推定は250年で、福島県緑の文化財に指定されています。
樹高約9m、幹周り8.58m、枝張り19mで、根元から二股に分かれて幹を広げているのが特徴。それぞれの幹から淡紅色の花をいっぱいに咲かせた枝を垂らす、整った樹形が魅力です。晴れた日に下から見上げると、青空に映えてとてもきれいですよ。
■所在地:福島県伊達郡川俣町字寺前19
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

常泉寺のシダレザクラ - 川俣町公式ホームページ

■MAP

鏡石寺のシダレザクラ福島県二本松市
城下町に春の訪れを告げる早咲きのしだれ桜

二本松藩の城下町として栄えた二本松市の街中には、歴史あるお寺が点在しています。境内に見事な桜があるお寺が多いのも特徴で、桜めぐりをするのにぴったりです。
その一つがこちら。鏡石寺の本堂裏手に立つ、推定樹齢約400年のしだれ桜です。この一帯で最も早く開花する桜として知られ、城下町に春の訪れを告げます。
樹高は約10m。地上6m付近で4つの枝に分かれ(そのうち1本は枯死)、1枝はさらに垂直に、2枝は横に枝を伸ばしており、美しい樹形を見せています。
桜の下に立って見上げると鮮やかに咲き誇る淡紅色の花が頭上から降ってくるように感じられ、「美しい…」としみじみと見惚れてしまいます。背後の竹林の緑とのコントラストも艶やかで、いっそう趣を加えてくれます。
■所在地:福島県二本松市亀谷一丁目110番
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

鏡石寺(きょうせきじ)の桜 | 二本松市観光連盟

■MAP

本久寺のシダレザクラ福島県二本松市
初代二本松藩主の入府時に植えられたと伝わる由緒ある桜

寛永20(1643)年、初代二本松藩主・丹羽光重公が入府した際に植樹されたと伝わるしだれ桜です。
本堂南側の斜面に2本のしだれ桜が並んで立っており、向かって左手の桜がその古木(本久寺のシダレザクラ)です。右手のしだれ桜の樹齢は不明ですが、こちらも枝ぶりがよく見応えがあります。
斜面の上の墓地に続く石段から見上げれば、さながら桜の花のシャワーのよう。ほかにソメイヨシノもあり、2本のしだれ桜とともに境内を華やかな春色に染め上げます。
■所在地:福島県二本松市根崎一丁目267番地1
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

本久寺の桜 | 二本松市観光連盟

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蓮華寺シダレザクラ福島県二本松市
石垣の上から花枝を長く伸ばす樹齢300年以上のしだれ桜

朱塗りの鮮やかな山門をくぐると、本堂に向かって右手の石垣の上にしだれ桜があります。前出の本久寺のシダレザクラと同じく寛永20(1643)年に植えられたと伝えられる、推定樹齢300年以上の堂々とした桜です。
途中で2本に分かれた太い枝を斜めに伸ばしており、下から見上げると細い花枝を長く垂らした姿が青空に映えて華やかです。
小道を上って石垣の上に行くことができ、年月を感じさせる太い枝ぶりを間近で見ることもできますよ。
■所在地:福島県二本松市亀谷一丁目3番地
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

蓮華寺の桜 | 二本松市観光連盟

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龍泉寺の翔龍桜(福島県二本松市
棚田を見下ろすように咲き誇るエドヒガンの大木

龍泉寺は「霞ヶ城公園」の西側の高台にある曹洞宗の古刹。寛正元(1460)年、二本松城主・畠山政泰公が初代・高国、二代・国氏の菩提を弔うため開山したとされます。
鐘楼堂の後ろに立つ樹齢約330年のエドヒガンの大木は「翔龍桜」と呼ばれ、眼下に広がる棚田を見下ろすように咲き誇ります。斜面に広がる墓地にお邪魔して上から眺めると、翔龍桜とともにお寺の周辺に咲き競う菜の花や桜とあわせて春爛漫の景色を堪能できます。
■所在地:福島県二本松市二伊滝一丁目81番地
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

四季の寺 曹洞宗 永松山 龍泉寺 福島県二本松市

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大隣寺のしだれ桜(福島県二本松市
戊辰戦争で戦死した少年たちの供養塔がある寺に咲くしだれ桜

霞ヶ城公園」から車で数分の場所にある大隣寺は、二本松藩主・丹羽家代々の菩提寺。境内には戊辰戦争に出陣して命を落とした12歳から17歳の「二本松少年隊」隊士16名の供養塔があります。
本堂の前に優美なしだれ桜が立っており、二本松市の街中に点在する他のお寺の桜より少し遅れて見頃を迎えます(そのため、他のお寺とあわせて桜めぐりをすることはできません…)。激動の歴史に思いを馳せながら桜を愛でると、しみじみとした感慨が込み上げてきます。
■所在地:福島県二本松市成田町一丁目532番地
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ

2. 大隣寺 | 花さんぽ | 二本松市観光連盟

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円東寺のシダレザクラ福島県二本松市
この地方最古の古刹に咲くしだれ桜は艶やかな花色が魅力

二本松市安達町、かつて宿場町として栄えた二本柳地区にある円東寺。大同2(807)年に徳一(とくいつ)大師が開基したとされ、この地方で最古の歴史を誇る古刹です。
本堂の前に立つしだれ桜は推定樹齢400年以上。別名「円東寺の糸ザクラ」とも称され、福島県緑の文化財に指定されています。角度によって表情が異なりますが、本堂を背景にするときれいな半円形に見えます。樹勢もよく、濃いピンク色の花を艶やかに咲かせます。
■所在地:福島県二本松市渋川下原68番地
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

23. 円東寺のシダレサクラ | 花さんぽ | 二本松市観光連盟

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福田寺の糸桜(福島県二本松市
三春滝桜の娘で、合戦場のしだれ桜の母と伝わる愛らしい桜

二本松市岩代町の「道の駅さくらの郷」近くにある、福田寺の境内に咲く樹齢約300年のしだれ桜。「三春滝桜」の娘で、「合戦場のしだれ桜」の母と伝わります。
その名のとおり、細くしなやかな花枝が糸を垂らしたように地面近くまで伸びた愛らしい桜です。
合戦場のしだれ桜と約1kmしか離れていない場所にありますが、糸桜のほうが開花が遅めです。タイミングが合えば、どちらも見頃の時期にめぐることができますよ。
■所在地:福島県二本松市東新殿字大久保134
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ

40. 福田寺の糸桜 | 花さんぽ | 二本松市観光連盟

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新殿(にいどの)神社の岩桜(福島県二本松市
離れた場所から見ると巨大な一本桜のように見える4本の桜

「道の駅さくらの郷」のすぐ近くにある新殿神社。鳥居をくぐると、急な石段脇の斜面にエドヒガン2本、ソメイヨシノ2本が咲いています。石を割るようにして根を張っているため、「岩桜」や「石割桜」と呼ばれています。
離れた場所から見るとまるでひとかたまりの巨大な一本桜のようで、見応え十分。石の鳥居との組み合わせも風情があり、どの角度から見ても絵になる桜です。前出の「福田寺の糸桜」と近いので、あわせてめぐるのがおすすめです。
■所在地:福島県二本松市東新殿字大久保134
■駐車場:あり(道の駅さくらの郷)
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ

39. 新殿神社の岩桜 | 花さんぽ | 二本松市観光連盟

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愛蔵寺の護摩(ごま)ザクラ(福島県二本松市
ゴツゴツとした幹が歳月を感じさせる樹齢800年の古木

二本松市東和町にある愛蔵寺の本堂前に立つベニヒガンザクラの一種で、推定樹齢800年とされる古木です。
お寺が別の場所にあった頃に火事があり、護摩礼が飛んできてこの桜の枝に留まったのが名前の由来だそう。コブのあるゴツゴツとした幹が歳月を感じさせ、色が濃く優美な花と見事な対比を見せてくれます。
同じ東和地区にある「中島の地蔵桜」や「東和・祭田の桜」よりも開花が若干遅めです。なので、あわせてめぐるのはちょっと難しいかもしれません。
■所在地:福島県福島県二本松市戸沢字細田10
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ

31. 愛蔵寺の護摩ザクラ | 花さんぽ | 二本松市観光連盟

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日輪寺のシダレザクラ福島県本宮市
赤みの濃い花が密集して咲き誇る巨木は“豪華”のひと言

国道4号近くの日輪寺の墓地に咲く、樹齢約200年のエドヒガン系しだれ桜。幹が根元から二つに分かれた双樹の巨木です。
東西16m、南北18.5mにも及ぶ枝の広がりが素晴らしく、間近で見るとその大きさに圧倒されます。地面近くまで垂れた枝に赤みの濃い花が密集して咲き誇る姿は“豪華”のひと言です。個人のお墓に植えられているので、マナーを守って失礼のないように観桜させていただきましょう。
この周辺では早咲きとして知られ、前出の二本松市の街中のお寺にある桜と同じころに見頃となります。少し足を延ばすことになりますが、あわせてめぐるのもおすすめですよ。
■所在地:福島県本宮市本宮字山田36-2
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

日輪寺の枝垂れ桜 - 本宮市公式ホームページ

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相応寺のしだれ桜(福島県大玉村
整った樹形と傘のように広がる花が優美なしだれ桜

相応寺は大同2(807)年、徳一大師によって安達太良山の一峰・眉岳(前ヶ岳)に建立されたと伝えられる古刹です。玉井亀山を経て、永禄3(1560)年に現在地へと移りました。
本堂の前に立ち、境内を覆うように咲き誇るエドヒガン系ベニシダレは推定樹齢350年。福島県緑の文化財に指定されており、美しく整った樹形と傘のように広がる薄紅色の花が優美なしだれ桜です。本堂の瓦屋根や春の青空に鮮やかに映える姿に、「いい桜だなぁ」と時間を忘れて見入ってしまいます。
ちなみに相応寺から歩いて数分のところに、樹齢約1,000年のエドヒガン「馬場ザクラ」があります。国の天然記念物に指定されるほど見事な桜でしたが、2018年3月、強風によって倒れてしまいました。残念ながら幹がバッサリ切られてしまったものの、今でも春になるとわずかに残った枝に花を咲かせ、生命力の強さを感じさせてくれます。お時間と興味のある方は立ち寄ってみてくださいね。
■所在地:福島県安達郡大玉村玉井字南町地内
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月中旬
■ホームページ

相応寺のしだれ桜 | 指定文化財 | 観光・史跡 | 福島県大玉村ホームページ

■MAP

しみじみ愛でる、福島県の「神社仏閣の桜」<浜通り編>9選はこちら!

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