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福島県内に多数点在する桜の名所・名木の中から、筆者が個人的におすすめする鉄板スポットをご紹介します。
ほかにも大好きな桜はたくさんあるのですが、その中から桜好きならずとも一度は行ってみたい名所・名木をピックアップしてみました。あくまでも独断と偏見と今の気分で選んでいますのでご了承ください^^
皆さんもぜひ福島県内の桜めぐりをして、ご自身の鉄板スポットを見つけてくださいね。
※合戦場のしだれ桜は近年急激に樹勢が衰えてしまい、現在、保存会の皆さんが樹勢回復のための治療を懸命に行っています。掲載写真とは樹形や花付きが変わっており、周辺の菜の花の様子も異なっていますのでご了承ください。詳しくはこのページ下部の「2024年追記」をご覧ください。
半球状の桜と菜の花の艶やかな共演が絵になる人気スポット
「合戦場のしだれ桜」は青空と半球状の桜、菜の花が織り成す美しい風景で知られる、福島県を代表する桜の名所の一つです。
福島県二本松市郊外、旧岩代町の国道459号沿いにあり、平安時代後期に源義家と阿部貞任・宗任が戦ったとされる丘陵地にあることから、この名がつきました。
一本桜のように見えますが、実は2本のベニシダレザクラが寄り添って立つ夫婦桜です。どちらも樹齢約200年で、三春滝桜の孫桜といわれています。
ちなみに母桜とされるのは、合戦場のしだれ桜から車で数分の「道の駅さくらの郷」近くにある「福田寺の糸桜」です。
合戦場のしだれ桜は駐車場も含めて私有地にあり、所有者の方や地元の保存会の皆さんが菜の花の種をまいたり、周辺に桜を植えるなどして美しい景観を大切に守ってくださっています。
ポスターやパンフレット等でお馴染みの「菜の花の奥に半球状の桜」の風景は、菜の花が咲き乱れる斜面の小道を下り、菜の花越しに見上げると出合うことができます。
晴れているときの美しさは格別で、青空と桜のピンク、菜の花の黄色の鮮やかなコントラストがまるで春の喜びを奏でているかのようです。
高台の駐車場から眺める“花の園”もおすすめ
上記の定番ポイントのほかにもう一つ、ぜひ見ていただきたいのが駐車場からの眺め。国道459号を挟んで向かいの駐車場ではなく、もう一箇所ある少し離れた高台の駐車場からの眺めがおすすめです。
合戦場のしだれ桜側から行く場合は、桜の前の小道を国道459号とは反対方向に歩いていきましょう。小道の両側にもしだれ桜が植えられていて、もう何年かしたら素晴らしい景観になること間違いなしです。
小道をしばらく歩くと、高台の駐車場に到着します。こちらにもしだれ桜が植えられており、花の間から合戦場のしだれ桜を中心に桜や菜の花が咲き競う“花の園”を一望できて絶景です。
開花期間中はライトアップが行われ、夜空と杉林を背景に浮かび上がる幻想的な姿を楽しむことができます。
合戦場のしだれ桜の観桜も駐車場も、所有者の方が無料で開放してくださっています、敷地内には募金箱が設置されているので、保護活動に役立ていただくために少しでも協力したいですね。
2024年追記:合戦場のしだれ桜は樹勢回復のための治療中です
さて、合戦場のしだれ桜を鉄板スポットの“番外”としたのには理由があります。近年、合戦場のしだれ桜は急激に樹勢が衰えてしまい、枝が枯れて落ちる、花付きが悪くなるといった様子が見られるようになってきました。
現在、保存会の皆さんが樹勢回復に懸命に取り組んでおり、今後3年かけて土壌改良や枯れ枝の剪定などの治療を集中的に行っていくとのことです。
土壌調査のために土を掘り起こしているため、桜とともに春爛漫の景観をつくっていた菜の花も見ることができなくなっています。
ここに掲載した写真はすべて2022年以前に撮影したものです。現在は桜の樹形も花付きも周辺の菜の花の様子も変わってしまっています。それでも合戦場のしだれ桜は個人的に大好きな桜の一つであり、その艶やかな姿を記憶に留めておきたいとの思いから鉄板スポットの“番外”とさせていただきました。
合戦場のしだれ桜が少しでも元気になり、また美しい花を咲かせてくれることを心から願っています。
■所在地:二本松市東新殿字大林142番地
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ