<この記事で紹介している桜スポット>
福島県内には桜の名所・名木が多数点在しています。「たくさんありすぎて、どうめぐったらいいかわからない」という方もなかにはいらっしゃるかもしれません。
そこで、筆者が実際にめぐったことのあるコースをエリア&例年の見頃別にまとめてみました。今回は、福島県浜通り南部のふくしま桜旅をご紹介します。ぜひ参考にして福島県内の桜めぐりを楽しんでくださいね。
※コースはあくまでも一例です。記事を参考にしつつ、同じ時期に見頃を迎えるスポットと組み合わせてお好みにカスタマイズし、オリジナルのふくしま桜旅を楽しんでいただけると幸いです。
※記事中の見頃は例年のものです。気象条件などにより時期が前後することがありますので、最新情報をご確認のうえお出かけください。
※風雪等による枝折れ、病気等による枝の伐採などにより、樹形が変わることがあります。写真と異なる場合もありますので、ご了承ください。
福島県に春の訪れを告げる海沿いの街のしだれ桜めぐり
太平洋に面した浜通り南部は、福島県内で最も早く桜が開花するエリア。まずはエドヒガン系しだれ桜がソメイヨシノよりひと足早く見頃を迎え、福島県に春の訪れを告げます。
その代表格が、いわき市にある「小川諏訪神社のシダレザクラ」。鎌倉時代末期創建の小川諏訪神社のご神木である、樹齢500年以上のしだれ桜です。
あわせて訪れたいのが、同じいわき市にある「三島八幡神社のシダレザクラ」や「柳生院のシダレザクラ」。さらにそこから北上して楢葉町の「清隆寺のシダレザクラ」、富岡町の「宝泉寺のしだれ桜」へと足を延ばし、早咲きのしだれ桜めぐりをするのはいかがでしょうか。
いわき市内には他にも「石森観音堂」「能満寺」「大運寺」などに早咲きのしだれ桜があるので、時間や体力に合わせて組み合わせるのもおすすめですよ。詳しくはいわき市観光サイトを参照してくださいね。
いわき100のさくら|いわきのイチオシ|いわき市観光サイト - いわき市の観光・旅行情報が満載!
小川諏訪神社のシダレザクラ(福島県いわき市)
朱塗りの本殿前に立つ樹齢500年以上の優美なご神木
いわき市郊外の小川地区にある、鎌倉時代末期創建の神社。本殿の左手前に立つ樹齢500年以上のしだれ桜は、いわき市はもちろん、福島県を代表する名桜の一つです。市内のソメイヨシノよりひと足早く開花して、一帯に春の訪れを告げます。
薄紅色の小ぶりな花をたっぷり咲かせた枝を石垣の下の地面に届くほど垂らした姿は優美そのもの。それだけでも見応え十分ですが、朱塗りの本殿との組み合わせがまた絵になります。
夜はライトアップが行われ、日中の華やかさとはまったく違う、妖艶なまでの美しさを見せてくれます。
■所在地:福島県いわき市小川町高萩家ノ前140-1
■駐車場:あり
■ホームページ
小川諏訪神社|見る・遊ぶ|いわき市観光サイト - いわき市の観光・旅行情報が満載!
三島八幡神社のシダレザクラ(福島県いわき市)
青々とした葉を広げるクスノキと艶やかな桜の共演が見事
境内に樹齢約300年と約500年とされる2本のしだれ桜があります。上記で紹介している小川諏訪神社のシダレザクラと同じころに見頃を迎えることが多く、筆者はいつも両方に足を運んでいます。
個人的に好きなのは、本殿の前で青々とした葉を広げる樹齢約400年のご神木のクスノキ。濃いピンク色の艶やかなしだれ桜と見事なコントラストを見せてくれて、惚れ惚れとしてしまいます。
夜はライトアップが行われ、幻想的な姿を楽しむことができますよ。
ちなみにこちらの神社の境内には樹齢約850年(!)とされるキンモクセイもあるので、あわせてチェックしてみてくださいね。
■所在地:福島県いわき市平北白土西ノ内22
■駐車場:あり
■ホームページ
三島八幡神社|見る・遊ぶ|いわき市観光サイト - いわき市の観光・旅行情報が満載!
柳生院のシダレザクラ(福島県いわき市)
竹林の緑とのコントラストも美しい樹齢300年のしだれ桜
柳生院は、いわき市四倉町の県道41号から細い坂道を上ったところにあるお寺。本堂の前に静かに佇むしだれ桜は樹齢約300年とされ、市の保存樹木に指定されています。
見る角度によってさまざまな表情を見せてくれるので、ぐるりと回って好みの樹形を探しましょう。本堂脇の墓地の奥に竹林があるので、その緑と桜のコントラストを楽しむのもおすすめです。
車ですぐ近くにある「薬王寺」参道のソメイヨシノもきれいですよ。
■所在地:福島県いわき市四倉町上柳生字宮の下13
■駐車場:あり
■ホームページ
柳生院|見る・遊ぶ|いわき市観光サイト - いわき市の観光・旅行情報が満載!
清隆寺のシダレザクラ(福島県楢葉町)
明治初期の火災をご本尊とともに逃れたと伝わるしだれ桜
清隆寺は国道6号の近くにあり、中世の豪族・楢葉氏の菩提寺と伝えられるお寺です。道路の混雑状況にもよりますが、前出の柳生院から高速道路を使わず30分くらいで行くことができます。
境内に立つベニシダレザクラは江戸時代後期頃に植えられたとされ、推定樹齢約200年。明治3(1870)年に本堂が火災にあった際は、ご本尊をこの桜の下に運び難を逃れたといいます。
樹高8.0mとさほど大きくないものの、薄紅色の花を咲かせた枝を傘のように広げた樹形が美しい桜です。
■所在地:福島県双葉郡楢葉町山田岡上ノ台1
■駐車場:あり
■ホームページ
宝泉寺の枝垂れ紅桜(しだれべにざくら:福島県富岡町)
数多の困難を乗り越え元気に花を咲かせる樹齢900年以上の古木
福島県を代表する桜の名所の一つ「夜の森(よのもり)の桜並木」から車で数分のところにあり、康和元(1099)年の開山と伝わるお寺・宝泉寺。石灯籠が並ぶ参道脇に立つ樹高12.5mのしだれ桜は開山当初の植栽とされ、推定樹齢900年以上といわれる古木です。枝の伐採や空洞処理など樹勢回復のための保全処理が施され、現在も薄紅色の花を元気に咲かせてくれています。
ソメイヨシノより早く見頃を迎えるので、夜の森の桜並木とあわせてめぐることは難しいのですが、きれいな桜を見に行くために何度も同じ町へ足を運ぶのも桜好きには楽しいものです。
■所在地:福島県双葉郡富岡町大字本岡字王塚451
■駐車場:あり
■ホームページ
福島県浜通り南部の桜旅MAP