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山肌が剥き出しの荒涼とした風景が広がる標高1,600mの地
7月に入ってから、うんざりするほど暑い日が続いています。今年の夏も猛暑が予想されており、今から梅雨明けが恐怖でしかありません…^^;
筆者が住む福島県福島市は盆地のため、夏の暑さが非常に厳しい土地です。たまに全国で最も高い最高気温を記録することもあります。
連日の猛暑に疲れたときに出かけたくなるのが、標高が高くて涼しいところ。福島県内の夏の花スポットの記事で紹介した「デコ平」や「郡山布引風の高原」などがおすすめですが、福島市内にもとっておきの場所があります。それが「浄土平（じょうどだいら）」です（下の写真は9月末に撮影したもの。これ以外は8月上旬の撮影です）。
浄土平は、磐梯朝日国立公園内にある標高1,600mの地。福島市西部の高湯温泉と土湯峠を結び、吾妻連峰を縫うように走る観光道路「磐梯吾妻スカイライン」の中間地点に位置しています。
「日本の道100選」にも選ばれている磐梯吾妻スカイラインは全長約29km、平均標高1,350m。道路沿いに多数のビューポイントが点在しており、絶景ドライブを楽しむことができます。
カーブが連続する山道を登るにつれて森林が消え、浄土平に近づくと山肌が剥き出しになった荒涼とした景観が現れます。
日本とは思えないその風景はSNSで“日本のアリゾナ”と称され、人気を集めています。市街地から車で約1時間でこんな景色に出合えるのってちょっとすごいですよね。
車を降りてすぐ散策できる美しい浄土平湿原
標高1,600mの浄土平は福島市街地より気温が約10℃も低く、夏はまさに別天地。車から降りるとその涼しさに感動します。
ここは一切経山（いっさいきょうざん。標高1,949m）や鎌沼などへの登山・トレッキングの起点であり、ビジターセンター、レストハウス、天文台などがあります。周辺には「浄土平湿原」や「吾妻小富士」など手軽に楽しめる見どころもあり、シーズン中は多くの人で賑わいます。
駐車場のすぐそばに広がっているのが浄土平湿原です。バリアフリーの木道が整備されており、一周約1km、20分ほどで散策することができます。
周囲を山々に囲まれた湿原には夏空を映す池塘（ちとう）が点在し、小川も流れています。
北側にそびえる一切経山は活火山。山肌の所々から白い噴気が上がっており、緑の湿原と見事なコントラストを描いています。
5月から9月にかけてはさまざまな高山植物が可憐な花を咲かせ、目を楽しませてくれます。7月はハクサンシャクナゲ、8月はウメバチソウ、ネバリノギラン、ミヤマアキノキリンソウ、エゾリンドウなどが咲くそうですが、名前のわからない花もたくさん見かけます。
気軽に散策できるわりにしっかり湿原を満喫できるので、超おすすめしたいスポットです。
駐車場から15分で大迫力の火口が待つ吾妻小富士の山頂へ
浄土平の東側にそびえているのが吾妻小富士（標高1,707m）です。すり鉢状の火口がある均整のとれた山容で、福島市街地から望むと小さな富士山のように見えることからこの名がつきました。浄土平の駐車場から山頂まで10分～15分ほどで行けるので、ぜひ登ってみたいところです。
登山口は、浄土平の駐車場から道路（磐梯吾妻スカイライン）を渡ったところにあります。
ジグザグの急な階段を登り、山頂に着くと眼下に巨大な火口がぽっかりと口を開けて待っています。火口の直径は約500m、火口底までの高低差は約70m。間近で見るとものすごい迫力です。
赤茶けた砂礫やゴツゴツした岩に覆われた景観はアリゾナを飛び越えて、火星にでも来たかのようです。繰り返しになりますが、市街地から車で約1時間、駐車場からわずか15分でこの景色に出合えるのってすごいですよね。
火口壁を歩いて、火口の周りをぐるりと一周することもできます（お鉢巡り）。所要時間は1時間ほど。時間と体力に余裕のある方はぜひ歩いてみてください。砂礫で滑りやすいので、トレッキングシューズや歩きやすい靴をおすすめします。
火口壁の登山道は結構狭いところもあり、なかなかのスリルを味わえます。
周囲は360度のパノラマビュー。眼下には浄土平湿原や磐梯吾妻スカイライン、さらに浄土平側の反対側まで歩けば福島市の街並みが見渡せます。
火口越しに眺める山並みもダイナミックで圧巻です。
こんな荒涼とした登山道沿いにもさまざまな高山植物が花を咲かせていて、生命力の強さに感心します。雄大な景色を堪能するとともに、足元もよく見てかわいらしい花を見逃さないようにしたいですね。
夏の緑と高山植物が美しい浄土平湿原と、荒々しい火山の景観を楽しめる吾妻小富士、その両方を気軽に散策できる浄土平。猛暑の下界を離れ、涼しい風を感じながら一日を過ごすのにぴったりなので、ぜひお出かけしてみてくださいね。
浄土平
■所在地：福島市土湯温泉町字鷲倉山地内
■駐車場：あり（車1台につき環境美化費500円）
■ホームページ
浄土平ビジターセンター トップページ ｜ 磐梯朝日国立公園［磐梯・吾妻地域］｜ 浄土平・吾妻山
■MAP
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