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夏に行きたい福島県の涼スポット② カラフルな色彩が美しい「五色沼」

<目次>

森の中に色合いの違う沼が点在する裏磐梯屈指の人気スポット

毎日うんざりするほどの猛暑が続いています。こんな時はせめて涼しげな水辺の写真を見て癒されたい…ということで、「夏に行きたい福島県の涼スポット」の第二段、今回は裏磐梯にある「五色沼(ごしきぬま)」をご紹介します。

裏磐梯は、福島県のシンボル・磐梯山の北麓に広がるエリアです。明治21(1888)年7月に磐梯山が噴火して山体崩壊と岩屑なだれが発生し、岩や土砂で川がせき止められて大小数百もの湖沼が誕生しました。現在は水と緑が調和した美しい景観が広がり、福島県内屈指の観光地となっています。標高が高いため7月~8月の平均気温が20℃と涼しく、避暑地としても親しまれています。

桧原湖、曽原湖、中津川渓谷、小野川不動滝などさまざまな絶景スポットがありますが、なかでも高い人気を誇るのが五色沼です。正式には「五色沼湖沼群」といい、森の中に点在する大小30ほどの沼の総称です。

その人気の理由は、沼によってエメラルドグリーン、コバルトブルー、パステルブルーなど異なる色合いを楽しめること。その神秘的な美しさから“神秘の湖沼”とも称されます。

一帯には全長約4kmのトレッキングコース「五色沼自然探勝路」が整備されており、片道70分~90分で散策できます。アップダウンが少ないので、初心者でも気軽に歩けるコースです。

 

トレッキングスタート! 毘沙門沼~赤沼~みどろ沼~弁天沼

五色沼自然探勝路の入口は、東側(「五色沼入口バス停」側)と西側(「裏磐梯高原駅バス停」側)の2カ所あります。東側から歩くと、こんな感じになります。

まずは五色沼の中で最も大きい「毘沙門沼」からスタートです。エメラルドグリーンの美しい水面越しに磐梯山を望め、いつ訪れても大勢の観光客で賑っています。

階段を下り、探勝路へと進んでいきます。

毘沙門沼に沿って続く探勝路を数分歩くと視界が開け、沼の向こうに磐梯山の荒々しい火口壁を一望できるビューポイントがあります。風がない日は絵画のような水鏡が広がり、まさに絶景です。

さらに少し歩くと、大きな鯉が悠々と泳ぐエリアに至ります。ここも毘沙門沼ですが、水の透明度の高さに感動します。

木々の間に見え隠れする毘沙門沼を左手に見ながら森の中の探勝路を進んでいくと、右手に「赤沼」、続いて「みどろ沼」が現れます。

赤沼は水に鉄分が多く含まれているため、葦などの草木が赤褐色に染まることが名前の由来だそう。

みどろ沼は抹茶ミルクのような緑白色と赤褐色、さらに青みがかった部分もあり、なんとも複雑な色彩がユニークです。

さらに森の中を歩いていくと、やがて右手に五色沼の中で2番目に大きい「弁天沼」が見えてきます。コバルトブルーの沼の向こうには吾妻山系の山々が望め、風がなければアカマツ林や葦が水面に映り込む水鏡も堪能できます。

ここでちょっとブレイク。沼ごとに多彩な色合いを見せる五色沼ですが、この色の違いはさまざまな火山性物質を含んだ性質の異なる水系の水が混ざり合うことで生まれるとされています。

季節や天候、時間帯、見る場所などによっても微妙に色が変わるため、訪れるたびに違う表情が楽しめるのも魅力です。筆者も何度も足を運んでいますが、そのたびに新鮮な感動を覚えています。

まだまだ続く絶景! るり沼~青沼~柳沼~母沼

さて、弁天沼を過ぎてしばらく進むと、左手に「るり沼」が現れます。その名のとおり瑠璃色の水面が美しく、沼越しに磐梯山を一望できるのも見どころです。探勝路から少し入ったところに展望デッキがあるので、見逃さないようにしてくださいね。

るり沼から歩いてすぐの「青沼」は、鮮やかなパステルブルーが特徴。まるで絵の具を溶かしたような色は、自然の色彩とは思えないほどです。

青沼から10分ほど歩くと、ゴールの「柳沼」に到着します。五色沼の中でも透明度が高く、底が見えるほどきれいな水をたたえています。

柳沼の向かいの「母沼」も透明度が高く美しいので必見です。

西側から五色沼自然探勝路に入る場合はここがスタート地点となり、毘沙門沼がゴールとなります。

 

ショートカットで人気の沼をめぐるのもおすすめ

五色沼自然探勝路を散策する場合は、2カ所ある入口のどちらか一方の駐車場に車を停めて片道を歩き、ゴール(反対側の入口)からスタート地点まで路線バスかタクシーで戻るのが一般的です。

時間や体力の関係で全コース歩くのは難しいという方には、下記のようなショートカットがおすすめです。

①東側の入口近くの駐車場に車を停め、毘沙門沼を見る。沼の周囲を散策したり、時間があれば手漕ぎのボートに乗るのも◎。

②西側の入口近くの駐車場まで車で移動。柳沼・母沼 → 青沼 → るり沼 → 弁天沼を散策し、駐車場まで引き返す。

①と②の順番が逆でももちろんOK。赤沼とみどろ沼を見ることはできませんが、このコースなら短時間で色彩が美しく人気の高い沼をめぐることが可能です。

ちなみに、柳沼と青沼の間に「裏磐梯植林事業功労者 遠藤現夢翁の碑入口」と書かれた看板があります。

ここから横道に入って350mほど進むと、“裏磐梯緑化の父”と呼ばれる遠藤現夢(げんむ、本名・十次郎)のお墓があります。

明治21年磐梯山噴火の後、裏磐梯は岩だらけの荒野となり、何年も緑が戻りませんでした。会津若松で事業を営んでいた遠藤は不毛の荒れ地に緑の森をよみがえらせようと、私財を投じてアカマツ、スギ、ウルシの苗木合計10万本を植林したといいます。

遠藤のお墓は深い森の中に静かに佇み、緑豊かな景勝地となった裏磐梯を見守っています。興味のある方はぜひ足を運んでみてくださいね。

五色沼湖沼群
■所在地:福島県耶麻郡北塩原村檜原剣ケ峯
■駐車場:あり
■ホームページ

五色沼湖沼群 – 裏磐梯観光協会

■MAP

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