ふくしま桜旅

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今年が狙い目!? ブナの森を歩いてニッコウキスゲ咲き誇る雄国沼湿原へ

<目次>

喜多方側からのシャトルバス運行が中止。この機会にトレッキングで!

2025年のふくしま桜旅を振り返っているうちに、いつの間にやら6月になっていました。福島県内では現在、初夏の花々が真っ盛り。各地でバラポピー、睡蓮が美しく咲き誇り、この後はハナショウブ、ラベンダー、アジサイの季節へと移っていきます。

これから見頃を迎える福島県内の花スポットの中で今年特におすすめしたいのが、喜多方市東部に位置する「雄国沼(おぐにぬま)湿原」です。6月下旬~7月上旬にはニッコウキスゲの大群落が広がり、一面が山吹色に染まる絶景となります。

ニッコウキスゲの時期はマイカー規制が行われ、雄国沼湿原へのアクセスは例年だと喜多方市側から雄国萩平駐車場-金沢峠間のシャトルバスを利用するか、北塩原村裏磐梯)側からトレッキングで行くことになります。が、この冬の大雪の影響で林道の路肩の一部崩落や倒木、落石が発生したため、今年は残念ながらシャトルバスの運行が中止となりました。

🚌雄国沼シャトルバス運行中止のお知らせ🚌|お知らせ|喜多方観光物産協会

シャトルバスを利用すれば気軽にニッコウキスゲの大群落を楽しめるとあって、シーズン中は多くの人が雄国沼湿原を訪れ、週末は湿原に設けられた木道が渋滞することもあるほど。しかし今年は歩いていくしかないので、例年ほど混雑しない可能性が高いのです。時間と体力のある方にとっては逆にチャンスだと言えるでしょう。

ちなみに今回ご紹介している写真は2021年に撮影したもの。この年は新型コロナウイルス感染拡大防止のためシャトルバスの運行が中止となり、今年と同様、雄国沼湿原へのアクセスはトレッキングのみでした。ニッコウキスゲが満開の週末でしたが、そこまで混雑せず、心ゆくまで絶景を堪能できた思い出があります。

 

川のせせらぎを聞きながら、緑美しいブナの森の中をのんびり登山

北塩原村裏磐梯)側から雄国沼湿原へ至るルートとしては、「雄国パノラマ探勝路」「雄国せせらぎ探勝路」「猫魔ヶ岳やまびこ探勝路」の3つのトレッキングコースがあります。

初心者におすすめなのは雄国せせらぎ探勝路。国道459号沿いの雄子沢(おしざわ)登山口から雄国沼湿原まで片道5kmほどのコースで、それなりにハードではありますが、普段ほとんど運動していない筆者でもなんとか往復できます。

登山口はこんな感じ。標識に3.3kmと書かれていますが、これは雄国沼の北側にある雄国沼休憩舎までの距離だと思われます。階段を登ってトレッキング開始です。

登山道の周りにはブナをはじめとする広葉樹の森が広がっています。この時期のブナは緑が本当にきれい。そこまで急な登りはないので、雄国沼を源流とする雄子沢川のせせらぎをBGMに、森林浴を楽しみながらのんびり歩くことができます。

樹林帯を抜けて低木の中をしばらく歩くと、雄国沼休憩舎に到着。山小屋風の大きな建物の中にはチップ制のトイレがあります。

雄国沼休憩舎から雄国沼湿原を目指してトレッキング再開すると、ほどなく雄国沼が見えてきます。沼の周囲の緑の中にニッコウキスゲと思われる山吹色が混じっていて、ワクワクが高まってきます。

15分くらい歩けば雄国沼湿原の入り口に到着。階段を下り、湿原に整備された木道へと足を踏み入れると奥のほうに山吹色に染まった一画が現れます。ニッコウキスゲの大群落までもうすぐです。

 

面積当たりのニッコウキスゲ生息株数日本一! 圧巻の“山吹色の絨毯”

一方通行の木道を進んでいくと、出ました、ニッコウキスゲの大群落です!

木道のない山ぎわまで続く満開のニッコウキスゲ。絶景です。

足元を見ると、木道のすぐそばにも山吹色の大輪の花が咲いています。ニッコウキスゲは朝に開花し、夕方にはしぼんでしまう“一日花”。初夏の太陽の光をいっぱいに浴びて、眩しいくらいに輝いています。

木道は1周約800m。奥へと進むにつれてニッコウキスゲの密度が増し、“山吹色の絨毯を敷き詰めたような”という表現がぴったりの光景が目の前に広がります。

福島県ニッコウキスゲといえば尾瀬大江湿原も有名ですが、ニッコウキスゲの面積当たりの生息株数でいうと雄国沼湿原が尾瀬を上回って日本一なんだそう。それも納得の密度、まさに“山吹色の絨毯”です。これだけのニッコウキスゲを一度に見る機会はなかなかないので、圧倒されてしまいます。

雄国沼は、約50万年前の猫魔ヶ岳の火山活動によって誕生したカルデラ湖。湖面は標高1,090mの位置にあり、周囲を猫魔ヶ岳、雄国山、古城ヶ峰などの山々にぐるりと囲まれています。

初夏の高原にこの時期だけ出現する天空のお花畑。山々と湿原の緑、ニッコウキスゲの山吹色、空と湖面の青…くっきりとした色彩が描き出す光景は実に爽やかです。

雄国沼湿原には約280種の高層湿原植物が見られ、「雄国沼湿原植物群落」として国の天然記念物に指定されています。ミズバショウタテヤマリンドウワタスゲレンゲツツジなど季節によってさまざまな植物が楽しめ、初夏のこの時期はニッコウキスゲの群生の中にコバイケイソウヒオウギアヤメなども咲き誇り、彩りにアクセントを添えています。

湿原の木道を一周して絶景を満喫したら、例年シャトルバスが発着する金沢峠の展望台へ足を伸ばしてみましょう。階段を登って10分ほどで行け、標高1,150mの地から山吹色に染まる湿原を眼下に一望できます。

帰りは、金沢峠から雄国沼休憩舎を経由して再び雄国せせらぎ探勝路へ。往路とはまた違った表情を見せてくれるブナ林の中を下山し、雄子沢登山口へと戻ります。

いかがでしょうか。緑美しいブナの森とニッコウキスゲの大群落を一度に楽しめる雄国沼湿原トレッキング。今年の初夏のお出かけの予定にぜひ加えてみてくださいね。

なお、雄子沢登山口の近くにある雄子沢川駐車場はニッコウキスゲのシーズン中、路上駐車対策のため閉鎖となります。ラビスパ裏磐梯-雄子沢川駐車場間のシャトルバスが運行されるので、ラビスパ裏磐梯に車を停めてバスを利用しましょう。詳しくは下記を参照してください。

雄子沢川登山口(雄国せせらぎ探勝路)シャトルバス運行のお知らせ - 観光サイト - 北塩原村ホームページ

※記事中の見頃は例年のものです。気象条件などにより時期が前後することがありますので、最新情報をご確認のうえお出かけください。

■所在地:福島県喜多方市熊倉町雄国
■駐車場:雄国せせらぎ探勝路を利用する場合はラビスパ裏磐梯に車を停めてシャトルバスを利用(※2025年の雄国萩平駐車場-金沢峠間のシャトルバス運行は中止)
■例年のニッコウキスゲの見頃:6月下旬~7月上旬
■ホームページ

雄国沼湿原 – 裏磐梯観光協会

■MAP

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