ふくしま桜旅

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実演入りでわかりやすい! ソメイヨシノの手入れ方法解説動画が完成

<目次>

病気だらけのソメイヨシノ並木を美しく蘇らせた「絆さくらの会」

福島県浪江(なみえ)町にある桜並木「請戸川(うけどがわ)リバーライン」の手入れをしている「絆さくらの会」が桜の手入れ方法を解説する動画を作成し、YouTubeにアップしました。

浪江町 絆さくらの会 / 桜の手入れ方法解説 - YouTube

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絆さくらの会の活動についてはこちらで詳しく紹介していますが、簡単に振り返ってみましょう。請戸川リバーラインは、浪江町内を流れる請戸川沿い約1.5kmに約120本のソメイヨシノが咲く福島県浜通りを代表する桜の名所の一つ。1996年からこの桜並木の手入れをしているのが、浪江町商工会青年部OBで結成した「絆さくらの会」の皆さんです。

手入れを始めたときはてんぐ巣病の木が多く、ほとんど花が咲かない状態だったそうですが、絆さくらの会の手入れのおかげで今では美しい花がたっぷりと咲き誇るようになっています。

 

長年の経験に裏付けされた独自の手入れ方法を大公開!

絆さくらの会が行っている桜の手入れ方法は、会長の小黒敬三さんが試行錯誤をして編み出した独自のやり方だそう。具体的にはチェーンソーやノコギリでてんぐ巣病の枝や枯れた枝などを切り、切り口に防腐剤を染み込ませた後、水分の蒸散や雨水の浸入を防ぐ癒合剤を塗って保護するというものです。

小黒さん曰く「チェーンソーと防腐剤と癒合剤があれば誰でも手入れできますし、ちゃんと手入れすればソメイヨシノはきれいになります」とのこと。今回YouTubeにアップした動画では、小黒さんが実際に作業をしながらポイントをわかりやすく解説しているので、とても参考になります。

動画は「第一編 てんぐ巣病及び枝の剪定」「第二編 枯れ枝と腐っている幹の手入れ」「第三編 手入れの成果と胴吹きの活用」と、第一編から第三編までを一本にまとめた「全編 桜の手入れ作業動画」の4本です。

「第一編 てんぐ巣病及び枝の剪定」では、てんぐ巣病の枝の切り方と切り口の処理の仕方、胴吹きの処理の仕方、電線の支障になる木の剪定、支障枝の処理方法、切った枝のまとめ方を解説しています。

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「第二編 枯れ枝と腐っている幹の手入れ」では枯れ枝の処理の仕方、幹腐れ対策(切り口が腐って穴が空いている部分の穴埋め方法、不十分な処理をして腐ってしまった幹の処理の仕方)、腐っている枝の処理の仕方を解説。小黒さんが穴埋めに使っている2つの“秘密兵器”にはびっくりです!

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「第三編 手入れの成果と胴吹きの活用」では、請戸川リバーラインの桜の中から絆さくらの会による手入れの成果がよくわかる木をピックアップして紹介しています。

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動画の中で小黒さんは、「諦めないで手入れをするとちゃんと成果が出るというか、期待に応えてくれるのがソメイヨシノですね。病気になりやすいんですけど、回復力も意外とあり、手入れすれば大丈夫です」と話しています。長年手入れをしてきて成果を上げている方ならではの説得力のある言葉ですね。

全編を通してとてもわかりやすく参考になるので、ソメイヨシノの手入れをしている方はもちろん、桜好きの方も必見です。ぜひチェックしてみてくださいね!  

しっかり手入れすればソメイヨシノの古木も美しい花を咲かせる

ソメイヨシノは病気に弱く、その寿命は60年とも70年ともいわれています。福島県内のソメイヨシノの名所でも、てんぐ巣病に侵されたり、幹に大きな穴が空いてしまっている桜の木をしばしば見かけます。手入れが行き届いていない場所も多く、このままでは近い将来、福島県、そして日本からソメイヨシノの名所が消滅してしまうのではないか。筆者はそんな危機感を個人的に抱いています。

ですが、小黒さんのおっしゃるとおり、しっかり手入れをすればソメイヨシノは古木であっても元気に花を咲かせてくれます。実際、請戸川リバーラインには樹齢70年以上の木もありますが、花はもちろん幹も美しい状態を保っています。

福島県内外でソメイヨシノの手入れをされている多くの方に絆さくらの会のこの動画を見ていただき、全国の桜の名所が末長く名所であり続けることを心から願っています。

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