ふくしま桜旅

福島県内の桜の名所・名木を紹介します

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歳月を経てなお美しく咲き誇る、福島県の「樹齢500年以上の桜」17選<前編>

<この記事で紹介している桜スポット>

福島県内に多数点在する一本桜の中には、数百年以上の樹齢を誇る古木が少なくありません。その代表格が日本三大桜の一つであり、国指定天然記念物の「三春滝桜」。推定樹齢1,000年以上ですから、平安時代にはすでに三春の地に存在していたことになります。すごいですよね。

歳月を経てなお美しく咲き誇る姿を間近で見上げると、その生命力に圧倒されます。桜が年輪を刻んできた時間の長さを思うと、日々悩んでいることが小さく思えてきて、明日もがんばろうと前を向くパワーをもらえます。

他の古木の桜も同様で、どの桜も生命力とエネルギーを感じさせてくれて個人的に大好きです。ということで今回は、福島県内の樹齢500年以上の一本桜をピックアップして樹齢の順にご紹介します。美しい花や風格漂う幹を心ゆくまで愛で、古木パワーをいただきましょう。

※記事中の見頃は例年のものです。気象条件などにより時期が前後することがありますので、最新情報をご確認のうえお出かけください。

※風雪等による枝折れ、病気等による枝の伐採などにより、樹形が変わることがあります。写真と異なる場合もありますので、ご了承ください。

 

三春滝桜福島県三春町)
悠久の時を超えて咲き誇る、日本を代表する千年桜

推定樹齢1,000年以上のエドヒガン系ベニシダレザクラ。国の天然記念物に指定されており、日本三大桜の一つに数えられる、福島県はもとより日本を代表する名桜です。
高さ13.5m、根回り11.3m、四方への枝張り5.5m~14.5mという堂々たる姿。薄紅色の花をいっぱいに咲かせたしなやかな枝が流れ落ちるさまは、その名のとおり滝のようです。目の前に立つと圧倒されるほどの存在感があり、時間を忘れて惚れ惚れと見入ってしまいます。
開花時期に合わせてライトアップが行われ、日中とはまた違った神々しいまでの美しさを見せてくれます。こちらも必見です。

■所在地:福島県田村郡三春町大字滝字桜久保地内
■観桜料:500円(中学生以下無料)
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月中旬
■ホームページ

三春滝桜 | Find!三春 【みはる観光協会~福島県三春町】

■MAP

三春滝桜」のさらに詳しい紹介はこちら!

fukushimasakuratabi.com

大鹿桜(福島県猪苗代町
花の色が白→ピンク→鹿の毛の色に変わる由緒ある古桜

1,500年以上の歴史を持つ磐椅(いわはし)神社の本社手前にあり、「会津五桜」の一つに数えられています。
社伝によると、天暦元(947)年に村上天皇の勅使が奉納したと伝わります。そのとおりだとすると、樹齢1,000年以上の古木となります。
サトザクラの一品種で、菊咲きの花の色が開花時は白色、その後ピンク色となり、最後は鹿の毛の色になることが名前の由来です。近年は枯れ枝なども目立つようになり、樹勢の衰えが見られてちょっと心配ですが、がんばって花を咲かせてくれています。
境内には樹齢800年以上の鳥居杉にヤマザクラが根付いた「えんむすび桜」もあり、良縁を願ってお参りに訪れる人も多いそう。こちらの見頃は例年4月中旬から下旬です。

■所在地:福島県耶麻郡猪苗代町字西峰6199
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月下旬~5月上旬
■ホームページ

大鹿桜 - 磐椅神社公式サイト

■MAP

宝泉寺の枝垂れ紅桜(しだれべにざくら:福島県富岡町
保全工事を経て元気に花を咲かせる樹齢900年以上の古木

福島県を代表する桜の名所の一つ「夜の森の桜並木」から車で数分のところにあり、康和元(1099)年の開山と伝わるお寺・宝泉寺。石灯籠が並ぶ参道脇に立つ樹高12.5mのしだれ桜は開山当初の植栽とされ、推定樹齢900年以上といわれます。
案内板によるとかつては3本の枝があったようですが、樹勢の衰えから1981年に2枝の伐採や空洞処理などの保全工事が行われ、現在は1枝(幹)を残すのみとなっています。が、今も薄紅色の花を元気に咲かせてくれていて、十分に見応えがあります。
ソメイヨシノより早く見頃を迎えるので、夜の森の桜並木とあわせてめぐることは難しいのですが、きれいな花を見に行くために何度も同じ町へ足を運ぶのも桜好きには楽しいものです。

■所在地:福島県双葉郡富岡町大字本岡字王塚451
■駐車場:あり
■例年の見頃:3月下旬~4月上旬
■ホームページ

宝泉寺の紅枝垂れ桜 - ふくしまの旅

■MAP

茶園(さえん)のサクラ(福島県二本松市
濃いピンク色の花を艶やかに咲かせる樹齢800年のエドヒガン

二本松藩の城下町として栄えた二本松市の街中には、歴史あるお寺が点在しています。境内に見事な桜があるお寺も多く、「鏡石寺のシダレザクラ」「本久寺のシダレザクラ」などが知られています。
「茶園のサクラ」が立っているのは、上記のお寺や二本松城(別名・霞ヶ城)跡に整備された霞ヶ城公園のある街中からJR東北本線を越えた、反対側(南側)の住宅街の中です。高台の傾斜地に堂々と立つエドヒガンの一本桜で、推定樹齢は800年。古木ながら樹勢がよく、濃いピンク色の花をたっぷりと咲かせます。
階段と小道を通って桜が立つ高台に上ることもでき、素晴らしい枝ぶりをそばで見ることができます。下から見上げても、間近で見ても絵になる桜です。
なお、見学の際は近隣の迷惑にならないよう配慮してくださいね。

■所在地:福島県二本松市茶園一丁目77番地
■駐車場:なし
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

茶園の桜 | 二本松市観光連盟

■MAP

東和・祭田の桜(福島県二本松市
ゴツゴツした太い幹に生命力を感じる推定樹齢800年の古木

二本松市郊外の旧東和町。高台にある個人のお宅の庭先に、水田を見下ろすように斜めに立つエドヒガンです。推定樹齢800年という古木で、二本松市の天然記念物に指定されています。
駐車場のある土手下から眺めると空に向かって枝を伸ばす、堂々たる姿を見せてくれます。
庭先にお邪魔して、桜のすぐそばまで行くこともできます。間近で見ると、ゴツゴツとしたコブのある太い幹が迫力満点。古木らしい風格をたたえた姿に、長い年月を生き抜いてきた生命力を感じて感動します。

■所在地:福島県二本松市太田祭田62
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ

33. 祭田のサクラ | 花さんぽ | 二本松市観光連盟

■MAP

愛蔵寺の護摩(ごま)ザクラ(福島県二本松市
コブのある幹と色の濃い花のコントラストが美しい

二本松市東和町にある愛蔵寺の本堂前に立つベニヒガンザクラの一種で、推定樹齢800年とされる古木です。
お寺が別の場所にあった頃に火事があり、護摩礼が飛んできてこの桜の枝に留まったのが名前の由来だそう。コブのあるゴツゴツとした幹が歳月を感じさせ、色が濃く優美な花と見事な対比を見せてくれます。
同じ東和地区にある「東和・祭田の桜」や「中島の地蔵桜」よりも開花が若干遅めです。なので、あわせてめぐるのはちょっと難しいかもしれません。

■所在地:福島県二本松市戸沢字細田10
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ

31. 愛蔵寺の護摩ザクラ | 花さんぽ | 二本松市観光連盟

■MAP

米沢の千歳桜(福島県会津美里町
樹勢の衰えが目立つも、健気に花を咲かせる姿が胸を打つ

会津若松市のお隣・会津美里町郊外ののどかな田園の中に立つ、樹齢700年以上のベニヒガンザクラです。
福島県の天然記念物、緑の文化財に指定される、会津美里町を代表する一本桜でしたが、近年は枝折れや幹の空洞化などにより樹勢が衰えてしまいました。
かつての堂々とした風格ある姿は失われていますが、それでも健気に花を咲かせる姿が胸を打ちます。
別名「種まき桜」と呼ばれるとおり、この桜の開花に合わせて畑仕事をする方の姿も見られ、今でも地元にとっては大切な桜であることが伺えます。
■所在地:福島県会津美里町米田字池南
■駐車場:なし
■例年の見頃:4月中旬~下旬
■ホームページ

お花見・桜開花情報 2023 – ミサトノ.jp

■MAP

護真寺のサクラ(福島県須賀川市
赤い屋根のお堂の前に咲き誇る優美なしだれ桜

須賀川市西部の長沼地区にある護真寺は、観応2(1351)年に開山した古刹。本堂の前に立つエドヒガン系しだれ桜は、開山時に植えられたと伝わります。そのとおりだとすると樹齢670年以上になる古木ですが、春になると薄紅色の花をたっぷりと咲かせ、優美な姿を見せてくれます。
見る角度によって表情が異なりますが、個人的に好きなのは参道の石段から見上げる眺め。枝ぶりが美しく見え、赤い屋根のお堂を背景に咲き誇るしだれ桜という鉄板の組み合わせを楽しめます。
かつてはこの桜の開花を見て周辺の農家が種まきを始めたので、別名「種まき桜」とも呼ばれているそうです。
参道のソメイヨシノの並木も風情がありますよ。

■所在地:福島県須賀川市横田北之後158
■駐車場:あり
■例年の見頃:4月上旬~中旬
■ホームページ

長沼地区|さくらの名所|観る|須賀川市観光物産振興協会:すかがわ観光公式ポータルサイト

■MAP

歳月を経てなお美しく咲き誇る、福島県の「樹齢500年以上の桜」17選<後編>はこちら!

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